角川文庫<br> 蜜の残り

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角川文庫
蜜の残り

  • 著者名:加藤千恵【著者】
  • 価格 ¥440(本体¥400)
  • KADOKAWA(2015/01発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041024966

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内容説明

様々な葛藤と不安の中、様々な恋に身を委ねる女の子たちの、様々な恋愛の風景。小説と短歌で綴る、女の子たちの不安と安堵、七つの物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

524
他人には言えない恋愛をしている彼女たちの物語。不倫だったり、同性同士だったり、あるいは恋愛とも呼べない関係だったり。それでも彼女たちは幸せだし、自分の生き方を否定したりしない。初読みの加藤さん、小説、短歌、詩、とスタイルにこだわらない創作活動をされているそうで、各短編の末尾に添えられている短歌が、秀逸。「ただ強く思ってみたい まばたきも息も忘れてしまうくらいに」。追いかけたい作家さんをまた、見つけてしまった。2021/04/13

おしゃべりメガネ

164
我ながら意外にも初読みだった加藤千恵さん作品でした。過去にもしかしたらオムニバスで読んでいるのかもですが、1作まるごとは初めてだったんですね。以前に確か雑誌『ブルータス』か何かで取り上げられているのが気になり、いつか読んでみようと思っていて、先日ブックオフで見かけてやっと手中にし、読了となりました。とにかく最初から最後まで、あらゆる‘性の戯れ’が描かれております。しかし、とても読みやすく、下品な仕上がりでもなく、当然官能小説ともまた違った世界を生み出しているのは、やはり作者さんの手腕によるんでしょうね。2016/05/07

❁かな❁

160
加藤千恵さんの作品を読むのは7作目。7編の短編集で歌人の加藤さんらしく1編に1つ短歌が書かれていて、お話の最後に短歌が書かれていてそれがいいです*私が読んだ加藤さんの作品の中では今作が一番、性を描かれていたと思います。どの章も甘く幸せな恋のお話ではないですが、こんな女の子いるだろうなと等身大に感じました。「特別にならない」の安田くん良かったです♡「靴下を履いて眠る」「門限のない日に」「すべてオールぜんぶ」など先の見えない恋愛ですが今この瞬間大好きな想いが伝わり切なかったです。それぞれの短歌とても良かった。2015/06/26

masa@レビューお休み中

120
余韻がない。感傷もない。まるで、事実だけを突きつけられたレポートのように、彼女たちの恋愛が報告される。どこか、世間とはちがう、普通ではない恋をする女たちの七つの物語がここには揃っている。普通ではないし、異常とすら思える関係性がでてくることもあるのに、あまりにもサラリと乾いている。それは、もしかすると、女性特有の現実的な主眼があるからなのかもしれない。恋する切なさも、トキメキも、ここにはあるのに、やはりどこかで現実の世界を冷静に見ている怖さがあるのだ。2015/04/02

masa

80
靴下を履いて眠る君の特別にならない。例えば君は僕に裏切られて、それをきっと赦せやしないだろう。だけど僕は君に騙されて、それを決して恨みはしないだろう。別にそれで構わないのだけれど。君に赦される誰かに、敗北感に似た嫉妬を感じるんだ。演技と本気の境界が曖昧になる寝起きのセックスと昼からのビールが好きだ。門限のない日にするしょっぱいキスも。すべてオールぜんぶ懸命に誤解しつづけても、やがて夏は終わる。なのに苦しいと気持ちいいの似ている表情が、恥ずかしいくらいに色褪せないまま、ずっと頭の中でリフレインしているんだ。2019/06/15

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