光文社文庫<br> あたたかい水の出るところ

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光文社文庫
あたたかい水の出るところ

  • 著者名:木地雅映子
  • 価格 ¥605(本体¥550)
  • 光文社(2014/11発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334768300

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内容説明

大島柚子(おおしまゆず)は、近所の銭湯「松の湯」が大好きな17歳。家族には問題アリ、将来はまだ見えず。いろいろ不安はあるけど、現実感はない。お湯さえあれば幸せだ。そんな柚子が、松の湯に通う大学生・福一(ふくいち)と出会う。反発しつつ、どこか気になる。これってもしかして恋――? どこかおかしな男女が出会い、やがて最強の人生を歩き出す。お湯が引き起こす幸せな奇跡の物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

227
初読みの作家さんで、こちらも確か雑誌『ブルータス』か何かでピックアップした作品です。主人公「柚子」はとにかく銭湯、温泉が大好きな女子高生です。そんな彼女の家庭には若干の問題があり…と、この問題の元凶とされるのが妹「胡桃」に対する扱い(接し方)です。有望な進学校を受験させようと尋常じゃないぐらい神経質になっている母親がいて、その雰囲気はある意味、ホラー的ですらあります。のほほんと穏やかな装丁とは裏腹に内容は結構シリアスな場面も少なくないです。ありきたりな家族再生お涙モノではまとまらない作風が印象的でした。2016/05/16

ちょこまーぶる

64
お湯に浸かっているように、じわじわと心温まる一冊でした。銭湯「松の湯」に子供の頃から通っている高校生の話なんですが、銭湯での常連さん達とのほんわかした話だけではなく、彼女の家庭崩壊寸前の家族関係や全く想像がつかない将来の姿などの現実の高校生の姿も描かれていて、いつの間にか読みながら彼女を応援していましたね。そして、その応援の甲斐があって?奇跡的な出会いと彼女らしい生き方を見つけ出す瞬間に立ち会えた時には、僕の心も銭湯や温泉に浸かっているようでした。烏の行水の温泉好きの僕の温泉欲がムクムクとした読書でした。2020/07/12

machi☺︎︎゛

52
初読み作家さんだったけど、すごく好きかも💖主人公のゆずちゃんの人生はすごく過酷だけどそれを過酷と思わないゆずちゃん。ゆずちゃんの精神の強さ、見習いたい。お風呂の気持ち良さもすごく上手に表現されていて、今ちょうど旅行中なのでこれからゆっくり温泉に行ってきます(*´ω`*) 2018/08/03

したっぱ店員

51
温泉好きな女子高生のほにゃーっとした話と思いきや、「身近な人から尊重されずに生きてきた(後書きより)」主人公の話でなかなか厳しい描写も。好きなものを芯にして生きていってもいいんだ!と目覚める経緯はファンタジックかと思うと妙に現実的だったり、ふしぎな空気感が面白い。良かった良かったな雰囲気で終わったけど、これ家のほうは一切解決してないよね?そこもかえって新鮮だった。2017/06/19

coco夏ko10角

20
銭湯好きな女子高生のほっこり物語…かと思って読んでたら、家族のことが結構重かった。でも逞しくて自分で選んだ柚子いい子だ。最後のフクイチの言葉が素敵。2018/07/26

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