内容説明
奔放な母との関係に悩む聡明な若い女性。傷ついた都市で働く医師の人生を変えた少年期の出会い。様々な土地で人々が織り成すドラマは、貧しい兄妹が引き離されたあの日につながっていた。 普遍的な愛を描き、70カ国以上で刊行が決定した世界的ベストセラー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソーダポップ
44
下巻読了。本書の上巻の冒頭に、父親が兄妹にしてくれる物語が出てくるが、ようするに忘れることが幸せなこともある、という教訓でもあります。主人公の兄妹は、ずっと一緒にいることが出来なかったからだ。忘れたほうが本当に幸せなのか…本書のラストシーンはそんな問いかけをされているようで考えさせられました。平和なアフガニスタンから、クーデター、ソ連によるアフガニスタン侵攻、ムジャヒディンの台頭、タリバン時代、二〇〇一年アメリカの空爆まで、動乱のアフガニスタンを背景に進んでいく物語。是非読んでほしい著書でした。2021/05/08
星落秋風五丈原
30
敢えてアブドゥラ視点で妹パリと出会うまでの歴史を語ることはせず、変わり果ててしまいながらも持っていた物から彼の思いを推し量る。こだまはアフガニスタンから飛び出して世界を巡り、そして再びアフガンに戻ってくる。2019/02/24
umeko
19
余韻に浸りながら、アブドゥラはどんな人生を送ったのだろうと考えてしまう。世界は不条理ではあるが、それでも生きていくことの美しさを感じた。2015/02/27
豆ぽち
16
辿った道を無かったことにはできない。生まれてからのことも、生まれる前のことも。そして、理不尽なことも、悲しいことも世界からはなくならない。だから、この世に生まれた人間はそれら全てを背負って生きていく。隣の人と、目には見えないしかし縁のある人と、慰め合いながら。2018/09/08
bakumugi
13
アフガニスタンを舞台とした物語。フィクションなのは承知だが、戦場としてのアフガンの論説文や報道写真では見えない、その地を自分の根源として生きる人々の「顔」が見える物語だ。一組の兄妹の数奇な一生に、様々な人々の人生が交差するのだが、複雑さは不思議と感じず、終始物語は明快なイメージだ。自由というのは、帰属があって謳歌すべきものなのかもしれない。愛の実感も、愛の欠損も、静かな深い涙を誘う感情なのかもしれない。読んでよかったと思う物語だ。この作者の別作品も読みたい。2015/12/25
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