メディアワークス文庫 白蝶の悪戯

著者名：狩屋崎半蔵【著者】

KADOKAWA（2014/12発売）

• ISBN：9784048690522

内容説明

どんな願いでも叶えてくれる悪魔がいる──という都市伝説を知っているだろうか？　それは噂ではなく、事実だ。　高級品を買うことでしか幸せを感じられないＯＬ、無愛想な妻や娘に嫌気が差して若い女性との逢瀬にのめりこむ老教師、整形によって若さと美しさを維持しつづけようとする喫茶店店主──。　際限のない物欲や色欲に溺れた彼らは、悪魔と出会うことを望み、自らの欲を満たすかわりに、やがて地獄へと堕ちていく。　人間の欲望は、どこまで深いのだろう……。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[Bugsy Malone]

どんな願いでも叶えてくれる悪魔...現実にそんな悪魔がいたとしたら。我が身を犠牲にしてでも家族や他の者の為に願いを叶えてくれと思う人間もいるだろう。だがここに出てくる人間はそうではない。おのが欲を満たすため。そんな人間達に浴びせかけられる美少女悪魔の言葉は辛辣で救われようもない。人間達が自ら選んだ事、自業自得と言えばそうなのだが、それだけでは割り切れない身につまされる部分も有るのが正直な気持ちだ。中々面白かった。

2016/12/04

[マコポン]

狩屋崎半蔵さん初読みです。なかなか面白かった。人間の欲望は限りない。止められなくなりどんどんはまってしまう。気をつけなくてはいけないな。うん。シロの正体について中途半端だったので、続きは出るのかな。

2016/02/16

[Yu。]

注いでも注いでも決して満たされる事のない欲望という枯渇ダム‥ そんな欲に溺れてしまう者達が最終的に辿り着く悪魔との契約が彼らをホントの絶望の底へと突き落とす。。おもしろい！！悪魔と契約者とのルールな物語から生まれる副産物が見事に連作形式となってかたちになるなど、凝った構成が常に読み手を前のめりにさせる。“男”袴田康弘と“究極の美魔女”沙織のその後や“悪魔”シロのエピソードも知りたい‥ 是非続編を。

2016/09/17

[半熟タマゴ]

様々な欲望を持っている人間とその願いを叶える悪魔の話。願いを叶える事の条件の一部でもある『決まり事』のシステムが面白かった。基本的には簡単な事ばかりだけれど、数が増えるとさすがに無理。最後の話は、シロの正体に迫ったものの結局正体がよくわからないままですっきりしなかった。３話で終わっていてもよかったかも。

2014/11/25

[榛乃@低浮上]

『願いを叶えてくれる悪魔 白姫:シロ』自分だったら何を望んで叶えてもらうか読み終わったあととても考えた。そもそも話を信じ契約を交わすかどうかも怪しいが…。キャラクターはアリスの世界に準じていて気に入っていて、シロと契約を交わす貪欲な愚者たちの対極なキャラが印象的だ。

2015/01/26