- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
「おくのほそ道」完成までの数年間に芭蕉は何を追い求めたのか。その創作の秘密を解き明かし、俳諧ひと筋に生きた芭蕉の足跡と作句の精神を具体的かつ多角的に追究する。『「おくのほそ道」を語る』を改題。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
19
『おくのほそ道』が和歌の歌枕を辿って「修験道」を極める修行の旅だというのは間違いないのだが、もう一つ旅の中で出会った人との交流で培った「軽み」を目指す旅でもあった。「行く春や」で人々と別れ「行く秋」で照応を通して、人生は永遠に続く旅であることを示す。その過程として歌枕を巡って和歌の追悼としての頂点として平泉があり、対照的に三角形をなして上りとして「松島」があると下りに「象潟」があるという構図。その中で自然の変化と人々の変わらぬ生きることの不変、「不易流行」の理念を見出していく。2020/12/13
るい
2
芭蕉のこころをたどることができた。2018/08/10
良さん
0
ようやく読み終えた長かった芭蕉の旅。日常を離れて風雅の道へと旅立った芭蕉の行き着く先はやはり日常だった。さりげない人間同士の付き合いだった。 【心に残った言葉】芭蕉の旅は、単に空間を移動するだけでなく、歌枕を巡礼することによって、日本の風土に刻みつけられた詩心の伝統を反芻し、そこに新しい創造のための源泉を汲もうとする、時間をさかのぼる旅でもあったのでした。(188頁)2018/08/16