内容説明
かつて北海道警で銃器・マル暴捜査で活躍した稲葉氏は、一方で、暴力団組員を使って覚醒剤の密売にも手を染めていた。そんな稲葉氏だからこそ知る警察と暴力団の本当の関係を暴露する。昨今、山口組弘道会と愛知県警の癒着問題。現代ヤクザのしのぎとは? 覚醒剤や違法薬物、脱法ドラッグの値段、密輸法とは?警察の捜査手法とは?ヤクザをスパイ=エスとして使うこととは? そのすべてを明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しあん
15
作者のその後はどうなったのだろうかと思っていたのですが、出所後は妻子に迎えられ、孫まで産まれていたとのことです。妻が気の毒だなと当時は思っていたので、一家離散せずに良かったと思いました。作者と出会い、人生が狂った愛人のことには一切ふれられてはおらず、気の毒だなと思ったのを思い出しました。内容は、道警の内幕がここまでかというくらいに書かれていて、作られた検挙、作られた拳銃や薬物の押収には呆れてしまうくらいでした。まるっきりこの本の内容を信じるわけではありませんが。2018/01/08
よっぴー
3
今までに何冊か警察の組織的問題や捜査で生じる警察官個人の問題を書いた本は読んだが、実際にそれをやって、さらに境界まで犯して服役した本人の話はまた新鮮で、なかなかに面白かった。2015/06/05
厭世GUY
3
違法捜査(暴力団の中にさくらを作り、報酬を渡して出頭させ、拳銃の摘発件数を挙げるなど)や覚醒剤の密輸を繰り返し、終いには覚醒剤使用で逮捕された北海道警の警部補(係長)が、懲役9年の刑期明けに書いた暴露本。適正捜査では達成できないノルマが課されているなど、違法捜査を誘発するような組織の構造やその矛盾点を指摘し、警察組織の在り方についての問題提起をしている。国家公安委員会による00年からの「警察改革」で警察組織内部の浄化が執拗に謳われるようになって久しい今現在、違法捜査はどのくらい残っているのだろうか。2015/05/22
湘南☆浪漫【Rain Maker】
2
生々しい違法捜査の実態…。 事実は小説より…という感じが物凄い(苦笑)2020/04/13
うらじ
2
道警腐敗の暴露本。ヤクザにお金を渡してヤラセ出頭で点数稼ぎ、ヤラセの見返りで薬の密輸を見逃す、上が捜査費を着服してるので現場の捜査官は私費で捜査するしかなく薬物を密売し捜査費を工面など、頭がおかしいエピソードばかりで唖然。刑事ドラマなどで描写される腐敗なんて比較にならないレベルの実態で、心底事実は小説より奇なりだなと思う。全国津々浦々で似たような腐敗があると思うとゾッとするしかない。2016/02/14