講談社現代新書<br> 大人のひきこもり 本当は「外に出る理由」を探している人たち

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講談社現代新書
大人のひきこもり 本当は「外に出る理由」を探している人たち

  • 著者名:池上正樹【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 講談社(2014/11発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062882866

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内容説明

セーフティネットの狭間で置き去りにされた40歳以上は推定100万人! このままでは「老後破産」者が激増してしまう。ところが、どうすればいいのか、わからない。ハローワークを訪ねても同じ求人がグルグル回る「カラ求人」や、非現実的な「神様スペック」を求める企業が少なくない。いつの間にか時間が過ぎ去り、やがて家族ごと地域に埋没する―。ひきこもりが「長期化」「潜在化」する背景と、新たな取り組みを探った。(講談社現代新書)

目次

第一章 ひきこもりにまつわる誤解と偏見を解く
1 データが物語る「高齢化」
「ひきこもり」と「ニート」は違う/情報がないからキッカケもないし何も変わらない/新たなひきこもり層が明らかに/他
2 ひきこもりの「潜在化」
「自分の将来を見るようで怖い」/他人に頼るべきではないという風潮/ずっと孤独だった/他
3 ひきこもる女性たち「それぞれの理由」
息子の就活失敗を機に母が「買い物にも行けない」/出口のないトンネルを抜け出せない/長男とひきこもる元エリート母/他
第二章 ひきこもりの背景を探る
1 「立ち直り」を阻害するもの
ハローワークの“怪しい求人”と“神様スペック”/足元を見られる中高年応募者/他
2 「迷惑をかけたくない」という美徳
まさか三〇代の娘が同居していたとは/「迷惑をかけるな」という風潮/他
3 「家の恥」という意識
貧困・ひきこもり・孤立死/都会の会社を辞めて実家に帰ったものの/他
4 医学的見地からの原因分析
トラウマとひきこもり/内海の水位が上がっている時代/生命力を取り戻すカギ/ADHDとひきこもり/他
第三章 ひきこもる人々は「外に出る理由」を探している
1 訪問治療と「藤里方式」という新たな模索
共感を呼んだ活動/拒絶されるのは当たり前/一人暮らしをサポート/一八~五五歳の一〇人に一人がひきこもる町で/ひきこもりの自覚がない人もいる/他
2 親子の相互不信を解消させたフューチャーセッション
縦割り組織を乗り越えるための取り組み/親には自分を信じてほしい/自己満足な支援になっていないか?/家族会にFSを取り入れてみると/対決ムードが一変/他
3 ひきこもり大学の開校
化学反応が次々と/「ひきこもり2・0」の始動/美人すぎるひきこもりを売り出す/ひきこもり大学開設の経緯/「空白の履歴」が価値を生み出す/他
4 外に出るための第一歩──経済問題
支援制度/面接は必須/第二のセーフティネット/住宅支援給付の要件/「お知らせしていないわけではないが」/押し付けではないメニューを
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あかは

59
若い子のひきこもりの本はたくさんあるけれど、大人のはなかなかなかったので、探していました。予想をはるかこえて40歳以上のひきこもりのかたがいることを知りました。切実な話です。そして、行くところがあれば行く。というところが大事。仕事も友達もいないのに、外のどこへいけばいいのか。これは盲点でした。この問題、もっと考えていきたいです。2017/10/27

kinkin

59
ひきこもりというとうちから出ずに何もせず、ただ部屋にうずくまっているというイメージがあるが、実は、仕事をしたい社会とつながりたい自立したいという気持ちをどうすれば誰に相談したりしていいのかひとり思い悩んでいる。また世間体、家の恥という捉え方をされることも多くいっそう表面に出ることなしに社会の流れの早い波にのまれてしまうということを知った。なにより、大人のひきこもりの本質あえてひとつ言い表すとすればそれは「沈黙の言語」と言及されておりとても共感することが出来た。お薦め。2014/11/01

佐島楓

42
ひきこもり当事者が高年齢化していることは知っていたけれど、これほどまでとは思わなかった。ひきこもりの新しいケース(配偶者やお子さんがいらっしゃる方でもひきこもってしまう)もあることを知って衝撃を受けた。一番苦しんでいるのは当事者であり、社会システムがそういう方たちに添っていないのは明白である。とても切実な問題だ。2014/12/28

うさうさ

34
引きこもりの半数近くが40歳以上で、引きこもりの高齢化・長期化が顕在化している。前半の個別のケースを読むと、ちょっとしたボタンのかけ違いで転げ落ちるし、一度転げ落ちたらもう終わりなんだなという事がひしひしと伝わる。支援が必要な人に届かない行政は意味がない。2016/07/24

西

33
この本が書かれたのが2年前。それから何か改善されているわけでもなく、更に増えていることと思われる。自分も一歩違えばそうなっていただろうと思うので、ひきこもりの人が特別だとは思わない。40以上の引きこもりが100万人って、恐ろしい数字だと思う。 決して他人事ではない。何かいい方法はないのだろうか。自己責任とか自業自得とかで片づけてはいけない。理解しようという気持ちが必要だと思う。 何ら良い方策が出てこないのがもどかしい。2016/09/02

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