角川ソフィア文庫<br> 夜雨の声

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角川ソフィア文庫
夜雨の声

  • ISBN:9784044094706

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内容説明

世界的数学者でありながら、哲学、宗教、教育にも洞察を深めた岡潔。数々の名随筆の中から科学と宗教、日本文化に関するものを厳選。最晩年の作「夜雨の声」ほか貴重な作品を多数収録。解説/編・山折哲雄。
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

弥勒

10
道義の根本は「人を先にして、自分をあとにする」ことで、それを体取し(自分がそのものとなることによって、そのものがわかること)、その上で、「人の悲しみがわかるようにならなければ不十分」だと説く。この、人の悲しみがわかるというのは、「人が悲しんでいるから自分も悲しくなる、悲しくなることがわかると自分も悲しくなる」ということらしい。非常に識見の深いお言葉だと思う。そして、これからの自分の言動にはよくよく注意を払って、自分本位という無明を入れないように努力していこうと思った。2015/05/19

Tadashi Tanohata

6
人類を自滅から救うのは日本人の情緒だと。ただその日本人も明治以後、情緒力が低下していると。例えば四季の愛で方が大きく変わってきたと...。すみません、ちょっと待ってください。その解釈にも自信が持てません。読書歴上、最難関でした。どなたかの感想を拝読したくアップした次第です。岡潔とは何者ですか。 2014/12/28

ハチ

4
凄まじい本! 鬼才岡潔の日本人観、仏教観、科学観などが粛然と語られていき、読者の頭には豪雨が降り注ぎ、その雨上がりまでの30分間のような静けさを持って読まないと、完全にもっていかれる!覚悟の読書。 道元禅師の歌はどれも美しく、岡潔さんもかなり引用されていた。2017/10/31

Kyohei Matsumoto

3
岡潔の随筆集。教育論は毎回でてくるが、今回のは情緒について真正面から語ってみようという試みがなされていたり、小林秀雄との対談が入っていたりした。西洋思想の無批判な取り入れ、アタマだけの教育、自我を肥大させるような教育、科学や物質主義の間違いを鋭く指摘、日本人の本来の情緒へ還ること、現代にも通ずる批判がたくさん書いてある。日本人ならとくに読むべき必読書と言えるのではないか。晩年は宗教的体験もあったようである。そこまでいくには、今の世の中に蔓延る考え方では、到底かなわない。早急に教育を立て直さねばと思う。2019/04/06

a

2
岡潔は綺麗な文章を書くなあと思った。2020/05/06

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