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内容説明
「専門的エリート」によって独占された政治を、いかにして私たちの手に取り戻すことができるのか? ネットワーク化が進む社会における集合知の可能性を問い直し「アマチュアの知」が生きる新たな民主主義像を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
1.3manen
17
3・11原発事故の苦い経験をプラスに転じることも可能(27頁)。生命活動の保存発展にたちもどる知と、機械的効率の向上を追求する知とは質が異なる(37頁)。集合知とは、群れをつくり、協働することで、個体の生存能力をこえた機能を果たす(40頁~)。この間の拙講義でご指摘のあった、ロールズの無知のベールは、カントの議論が下敷きとなる。全員自分がどんな存在か知らない無知のベールでかぶれば、平等の原初状態となる(142頁~)。2014/11/21
tolucky1962
8
評価基準と解がない大規模問題は細分化した知で解決できず政治・官僚が決めるが,集合知と熟議が必要。ネット行動記録・集合的無意識の機械抽出は設計者が介在する。効用最大化が正義の功利主義。人権が正義の自由主義。伝統的共通善が正義の共同体主義。自由主義の制約条件を満たす功利主義で検討すべき。共同体主義の共通善は非明示的に機能する。リーダーが合意を目指して議論をまとめる。集合知的民主主義はボトムアップの熟議を下位から上位集団の結果が送られる。多数決でなく熟議で意見集約をする時間と手間が必要だ。2024/05/05
hiyu
5
とかく正解がない領域における議論の在り方、志向性については興味のあるところ。実はちょっとついていけなくなるところもあったのだが、集団の数という視点で見たそれぞれの主義主張は確かにと思わせるところがあった。2023/07/10
izw
4
政治や経済で、いわゆる正解のない分野の問題の議論(熟議)の仕方を示している。ネット上での熟議、といっているが、ネットをあまり強調していないので単に議論の仕方を示しているように見える。 2.3一般意志2.0は、東浩紀「一般意志2.0---ルソー、フロイト、グーグル」の批判。方向性は評価しつつも、議論が甘いとの批判は面白い。是非一読を勧める。2015/03/09
えむa
4
公共哲学の三つの潮流について解りやすく説かれていて興味深かった。練習問題もなかなか読み応えアリ。一見SFみたいな集合知民主主義だが、可能性は感じる。正義基準として提示されたU-LUCモデルだが、三つの正義基準のええとこどりははたして可能か?実現にはネット熟議を統括できる力量のあるリーダーの養成がまず必要かも。2014/11/19
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