内容説明
『野ブタ。をプロデュース』から10年。絞り出すように綴る、本音小説。
30代の結婚は、好きだけじゃ無理。
過去に大ヒット作を出したきり、売れなくなった作家の佑人、仕事は真面目にやりつつ、掃除も料理もできない編集者の里奈。同棲を経て婚約した二人だが、その前途には、障壁がいっぱいだ。学歴、会社、実家、仕事、元カノ、年収、料理、貯金額、浮気……etc.考えれば考えるほど、したい理由より、したくない理由が積み重なっていく(「結婚問題」)。円満な離婚の後、のしかかってきたのは、生活レベルを落としたくないがゆえに、子どもをあてにする母親だった(「葉子の離婚」)。「好き」だけではどうにもならない30代の結婚を、正面からとらえて描く2編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
48
多忙な編集者と低迷している作家のカップルが、結婚を目前にして揺れ動く様が、分かるような分からないような気持ちで読んでいました。そんな編集者里奈さんの友人葉子さんの離婚後の心の置き場所が定まらない様子が(29歳)という年齢を考える時に共感してしまう。お互いに相手に気遣いをし過ぎてギクシャクする結婚生活だった葉子さんの生真面目さに、一人で抱え込まないでと伝えたくなりました。弟さんがいてくれてよかった。里奈さんも葉子さんも実母に振り回されています。毒母ほどではなくても、噛み合わないのは哀しい。2019/05/26
やこ´•ᴥ•`
39
読みやすいなぁと思ったら、野ブタをプロデュースの人なんですね◎タイトル通り未婚30歳友人同士の女性2人のお話。とは言っても立場が違って、1人は婚約中。もう1人はバツ1。婚約中のお話の方は、マリッジブルーになっている内容だったんだけど、私自身マリッジブルーにならなかったので、世間の女性は結婚することをこんなに重く考えているのかぁと自分との違いに驚きだった。どんなに深く考えたってダメになるものはなるし、そんなに色々悩まなくても上手く行くこともあると思うんだけどなぁ。2作とも読後感良しです♪2019/05/07
ゆか
38
仕事をしている佑人にお茶を入れてあげる里奈。(いつからこういう気遣いをしなくなったんだろうと考える。私は本当に自分の事ばかり優先していたような気がする)里奈に告白してきたカメラマンのことを陽子が評する言葉。「どんなに素敵に見える人でも婚約中に好意を伝えてくる人はまともじゃない。もしそれでうまくいったらどうなるかっていう想像がちゃんとできていないってことだからね。」「葉子の離婚」より好きな言葉:彼は、たとえ持ちきれないほどの荷物を持っていたとしても、他人を頼るということができない人だったのだ。2015/05/15
そうたそ
38
★★★☆☆ 「30」という年齢。男性にとっては結婚を意識しだす頃、女性にとっては結婚を焦り出す頃、なのかもしれない。何となく全体的にあっさりとした印象の残る作品だった。自分がまだ結婚を意識するというほどの歳でもないからかもしれないが、まあ結婚するってこんなものなのかなあ、と思いながら読んだ次第。披露宴はしない、というあたりが今っぽいなあと思う。結婚に関して慎重に考えながらも、最終的な部分では結婚に対して淡白な二人。現代の結婚ってこんなものなのか。籍をいれないという選択だって考えられる社会だし。2014/11/19
melon
33
結婚の一番の喜びは味方が出来る事。肉親以外で自分の事を大事にしてくれるのはなんだかんだ結婚相手しかいない。支えてもらえるとか共有し合えるとかではなく自分の存在を根本的に認めて貰える。ひょっとしたらそれが欲しくて結婚するのかもしれない。たとえ傷口が塞がっても傷跡は長い間残る。何もかもが元通りにはならない。結婚と離婚の話…深かった。2018/08/18
-
- 文具・雑貨・特選品
- 歯科技工 52巻3号 2024年3月
-
- 電子書籍
- 最強ギフトで領地経営スローライフ~辺境…
-
- 電子書籍
- 願い星【分冊】 2巻 ハーレクインコミ…
-
- 電子書籍
- プランダラ【分冊版】 128 角川コミ…
-
- 電子書籍
- 魯迅 阿Q中国の革命 中公新書