内容説明
ライターの収入だけでは満足な生活を送れない久保は派遣会社から紹介された職場で働き、糊口を凌いでいた。マニュアル作成の仕事を受けた久保だが、納期に追われて派遣の仕事との両立が難しくなる。折しも16年前の殺人事件が再注目される時、窮地に陥った久保の脳裡にあの光景が重なる。かつてない閉塞感を最大圧縮した凄絶作品!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
M
80
時間軸も過去や現在を行きつ戻りつ、人間関係も誰が誰だか分かりづらく。重苦しいストーリーのまま、最後まで掴み所のないままだった。2016/08/07
吉田あや
79
有名私立中学合格を目指すため、業界屈指の合格率を誇る塾に通う少年A。16年前に不審な死を遂げた少年Aの謎を軸に、全体を少しずつ歪にずらし、歪ませながら語られていくもうひとつの謎と闇。積み上げては崩れていく砂で作った世界の様に、虚なのか実なのかぐらりぐらりと揺さぶられ、不気味さが大きな渦となり心に広がるような恐怖に包まれる。いつ終わるとも知れず続く鬱屈とした世界で、自分の檻に囚われた閉塞感と逃げ場のなさ。重く苦しい重力に絡めとられるようなえんじ色に染まる景色に胸が詰まった。2018/09/12
アッシュ姉
78
真梨さん二十冊目にして第二作を読了。ところどころ真梨節が滴っているが、ドロドロはしていない。もちろんサラサラもしていない。ぼんやりしてると憂鬱にのみ込まれそうになる閉塞感。つかまっていないと振り落とされそうな混沌具合。くらくらしてもあもあする。わたしも嫌いじゃない。嫌いじゃないけど理解できたかは怪しい。2020/09/29
らむり
61
真梨さんの著作の中で最も好き嫌いが分かれる作品だと解説には書いてありました。物語がたんたんと進みすぎてるし、どす黒さもなく…。ちょっと物足りないかな。2014/10/24
Take@磨穿鉄靴
59
久保はパラレルワールドの少年Aなのか?なんなんだろう、モヤモヤするけど最後はちゃんと分かるだろうからとにかく先へと思い進む。で読了。ヤバい、ちょっとよく繋がりが理解出来なかった。結局久保は別パートの男の子で吉沢さんがえっちゃん。で久保は大人になってから死ぬ。吉沢さんも大人になってた。あれ?えっちゃんはあそこで死んだんだよね?えんじ色の。んん。何がなんだか分からなくなった(*_*)今度は相関図書いてゆっくり読むか。繋がりは気になるけど内容は特に惹かれず★★★☆☆2020/04/04




