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内容説明
一九六〇年代末~七〇年代初頭、先進国で高揚した「新しい社会運動」。そこから出発した緑の党は、役割を変化させながら現在に至っている。ドイツをはじめとした諸外国のケースを検討しながら、運動・思想・体制(政権党)の三つの側面を分析する。私たちはどのような社会を望むのか。緑の党はその選択肢になりうるのか。いま改めて考え直す。(講談社選書メチエ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
22
社会理論としてエコロジーを考える場合には、人間にとっての意味を問わざるを得ない(116頁)。最も重要な問題は、最低限所得保障が大量失業恒久化の危険をはらんでいること(138頁)。図15ドイツの原発地図によると、北部や西部に解体ずみ・解体中・閉鎖が散見される(178頁)。イチエフも、あれだけの重大事故を経験しながら、旧態依然たる政治が継続する(214頁)のはもやもやした感じが払拭できない。日本の風土に緑の党は合わないという悲観論は、楽観論以上に、性急で一面的議論(236頁)。2015/01/05
ミヒャエル・安吾
2
緑の党解説。思想や運動、政党としての歴史など2017/06/27
katashin86
2
景観や郷土を後世に継承することをめざして、自然への畏敬の念をもち浪費主義を否定するという「保守的エコロジー」。たいへん共感する。 西独緑の党は、少なくとも出発点において多様なアイデアを許容していた。その後分裂するとわかっていても、間口の広いイメージに結集することには意味があるのではなかろうか。2015/02/17
Kenji Suzuya
0
ドイツの緑の党を中心に、その発足から政治進出・政権加入などの歴史と思想を扱う。原理主義的思想・運営から現実主義的運営・施策へと転換していったことはきちんと描かれていた。ただ、施策に関しては個別の政策の説明が無駄に深いところもありやや不満。また、日本の原発以後の脱原発運動に関する記述は深みもなく完全に蛇足。2015/06/20