密林の夢

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密林の夢

  • ISBN:9784152094797

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内容説明

製薬会社の研究員マリーナ・シンは、ブラジルへの出張を命じられる。生殖医療に革命を起こすとされる新薬の開発状況を確かめ、また、現地で病に倒れた同僚の死の詳細を知るためだ。気が進まないながらブラジルのマナウスに飛んだマリーナは、アマゾンの奥地にある極秘研究施設に赴く。そして、昔の指導教授スウェンソン博士との再会をきっかけに、熱気と謎に満ちた密林のなかで、過去の挫折や後悔と向き合うことになるが――『ベル・カント』のオレンジ賞受賞作家による、驚異と希望の物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

らぱん

50
文明人が未開の地へ赴く。湿度も密度も高い熱帯の描写、奇抜なアイディアなど、500頁を読ませる力はあるのだが、終わってみると何の話だったかと首を傾げてしまう。執拗なほど丁寧な内面描写で、主人公とともに逡巡、焦燥、困惑などを共有しながら読み進める「行きて帰りし物語」に見えるが、旅の末に何かを得たというカタルシスが乏しい。文明批判や文明介入の是非でもない。その一方で当初のトラブルは解決をみるのだが…。これを現代のおとぎ話というのはどうなのか。ご都合主義感が拭えない。一作目に続き二作目も面白かったが釈然としない。2020/09/11

かんやん

33
製薬会社の研究員であるヒロインは、ブラジル出張中の同僚の死を知らされる。アマゾンの奥地で新薬開発中の博士を訪問中のことだった。そこの先住民の女性は年老いても閉経することなく、出産するのだという……。なんか、コンラッドやヘルツォーク、『地獄の黙示録』のような、設定と雰囲気。しかし、熱帯の気怠さそのままに、恐ろしくゆっくりと展開し、そのうちページを繰る指先がスコールに打たれ、いつしかジャングルの緑に染まってゆくような。反復、脱線、変奏、細部への異様なまでのこだわり……先を急ぐのではなく、むしろ留まりたい。2020/08/16

ロドリゲス

25
アマゾンへの出張を命じられる主人公。生殖医療に革命を起こす新薬の開発状況を確かめ、また、同僚の死の詳細を知るために・・・ その地で、主人公は本来の目的である超高齢出産の新薬進捗状況の確認とは別に自分の人生の挫折、葛藤、後悔、希望と思いを巡らせる。 半分まではゆっくりと物語は進んでいく為、挫折しそうになりますが、後半は流石!という程スピーディーに展開します。 ★★★★★ 2019/09/25

カレイ.シュウ

11
アメリカの女性作家。初読。派手なアクションや謎解きはなく、密林での新薬開発をテーマにしてはいるが、それほど専門知識は必要とせず。中年女性の人生、恋愛、出産、仕事、人間関係への悩み不安等を丁寧に描いている。読みごたえはあるが、情景描写が細かすぎて序盤は話が進まず、読進めるのが苦痛になる。が、後半はスピード感が増しておもしろくなってくる。ハッピーエンドではないしその後がきになるが、続編は今のところ無いようです。2017/10/23

小太郎

9
独特の雰囲気があって、前半挫折しかけたがなんとか読了。2020/01/13

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