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内容説明
サッカー日本代表の過去、瞬間、未来を読み解く! 当初から“惨敗”の可能性を指摘していた著者が、W杯ブラジル大会の取材を通して改めて鮮明になった世界との差に切り込んだ一冊! サッカー王国ブラジルで開催されたW杯に、「史上最強」という期待を背負って臨んだ日本代表。だが、現実は0勝2敗1分、グループリーグ最下位に終わった。内容の悪さも輪をかけるまさに“大惨敗”。ところが“崩壊以後”、反省もそこそこに、「新監督アギーレ」を迎え、次に進もうとする日本サッカー界。その構造的な問題をあぶり出す。「なぜ1勝もできなかったのか?」「どうしてあんなサッカーになってしまったのか?」「我々のサッカーとは何だったのか?」「なぜ大手メディアは反省検証を避けたがるのか?」など、多くのサッカーファンの疑問に応えるパワフルな一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
saga
50
本書は2014W杯ブラジル大会の取材と同時進行で書かれた。当時はザッケローニに悪い印象を持っていなかった。2敗1分け・グループリーグ最下位という結果は、JFA、監督、そして選手起用の失敗だと言える。本大会での日本に批判的なことから、著者のメディアへの露出が少なかったのだと思われる。日本のスポーツ民度の低さの現れにも思える。しかし、サッカーというゲームを試合会場の高いところから俯瞰で見続けた著者の論法を、私は気に入っている。2023/01/17
Kentaro
11
ザッケローニの無能ぶり、本田ジャパンとも揶揄されるなかでの長谷川主将というアンバランスから、戦術的な欠陥そんな指摘をズバズバと繰り返す。日本だけに限らず、ブラジルチームの低迷、アルゼンチンのメッシのふがいなさと下がりすぎる欠点などもつまびらかにする。著者はメディアの役割として、単なる応援団ではなく、強くなってもらいたいという気持ちを持ちながら中立的立場で日本チームを分析する。 サッカーとはここまで真剣に勝負を重視するのかと思ってしまうほど真剣だ。いい悪いではなく、まるで日本という国家の勝負のようだ。2018/12/09
青心
2
史上最強と謳われながら、1勝すら挙げられないまま惨敗したブルジルW杯。無責任な翼賛報道を続けたメディアと、敗因の分析も今大会の総括もそこそこに次に進もうとする日本サッカー協会、一貫性のない采配でむざむざとチームを敗戦に導いた監督の手腕を痛烈に批判した一冊。 確かに、帰国せず逃げるように所属チームに戻った選手、拍手と大歓声で温かく代表チームを迎えたファンと、首をかしげる場面もしばしば。 けど、全体としてはかなり面白い大会だったことは確か。 4年後、今度こそ「史上最強」の日本代表による、熱い闘いが見たい。2014/10/22
Emkay
1
サッカー・ブラジルW杯の期間中、現在進行形で書かれた著者のブログに、各回に後付けで解説を後日掲載。企画の勝利だけでなく、内容が多岐に渡っておもしろい。日本代表の3戦の評価、ザックの采配、ブラジル評、ドイツ評、スペイン評、オランダ評、アルゼンチン評、アメリカ評、本田評、香川評、メッシ評…。3-4-3を始めとするフォーメーションの解説だけでなく、クライフ当時のオランダから発展・継承されていった歴史的な背景を掘り下げる。大仁-原-霜田の協会幹部批判もおもしろい。勝ち負けや個人技以外に多くの視点を与えてくれる。2014/09/26
Yoshihiko Fujimoto
1
ザッケローニと彼を任命した日本サッカー協会、メディアを痛烈に批判した本。 ちょっと視点が一方的すぎるような気もするが、書いていることは大体合っているんだろう。 ただ、他の著作の内容と重複しているところが多いような…。しばらく杉山さんの本はいいかな。2014/09/23