跳びはねる思考 会話のできない自閉症の僕が考えていること

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跳びはねる思考 会話のできない自閉症の僕が考えていること

  • ISBN:9784781612454

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内容説明

僕は、二十二歳の自閉症者です。人と会話することができません。僕の口から出る言葉は、奇声や雄叫び、意味のないひとりごとです。普段しているこだわり行動や跳びはねる姿からは、僕がこんな文章を書くとは、誰にも想像できないでしょう。――(本文より)
会話ができないもどかしさ、意に沿わない行動をする身体を抱え、だからこそ、一語一語を大切に発してきた重度自閉症の作家・東田直樹。小学生の頃から絵本やエッセイなど、多くの作品を執筆してきた彼が「ひとりの22歳の人間」として書いた、鋭く、清冽な、驚異のエッセイ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

風眠

225
急に奇声を発したり、確認行動や強いこだわりがある。重度の自閉症の東田さんの姿だけを見たら、内面にこんなにも豊かな心があり、論理的な思考があるなんて誰が思うだろう。『はじめに』という本文の中で東田さんはこんなふうに書いている。「僕がエッセイの中で伝えたかったのは、その人にしか分からない世界があるということです。物事は少し見方を変えれば、全く違った捉え方ができるのではないでしょうか。」簡潔で、それでいて物事の本質を鋭く言い当てている文章。こんなにも当たり前の事に、どうして気付けなかったのかと考えさせられた。2015/02/06

s-kozy

113
人との会話ができない(挨拶すら難しいらしい)重度の自閉症の青年によるエッセイ。著者は現在、22歳とのこと。自閉症の物の見え方や感じ方、ある物事にこだわる理由などが分かりやすい文章で綴られている。五章からなり章の間には四編の著者へのインタビューがあり、これが本人の世界を理解する一助になっている。自閉症という障害をより理解したいと思っている全ての人に自信を持ってお勧めできる一冊です。私もより深く理解したいので近いうちに再読します。2014/10/18

あん

96
私には到底書くことの出来ない、表現力や自由な発想が溢れる文章です。自閉症に対する世間の間違った認識や、東田さんの葛藤が、文章の端々から伝わってきます。自閉症の方々の行動についてきちっと説明されているので、理解する一歩にはなるはずですし、怖がって理解しようとしていなかった自分が恥ずかしくなります。読んでよかった、良書です。2015/03/12

chimako

94
この素直な心のつぶやきに気持ちを動かされる。言葉を持たないのではなく、言葉を発することがとても難しく苦手な東田さんの的確な表現に驚く。質疑応答が旨くできる理由についても関心する。笑顔が作れない(笑顔になれない)と言う東田さんだが表紙のキミはいい感じです。これは、読み聞かせしたい。  [インタビュー箇所の記述について] 「………だそうだ」と言い切らず「……だそう」という言い方は流行りのようだが、違和感がある。質問の答が素晴らしいのにとても残念だった。2015/06/15

アナーキー靴下

93
東田直樹さんの本は3冊目だけれど、いつもいつも彼の言葉は私の心に真っ直ぐ届き、不思議と素直に受け入れられる。私ももういい歳だし、もっと大人でありたいと思うけれども、あまのじゃくでネガティブ思考の他力本願を是とした時期が長すぎて、未だにひねくれてるなと自覚することが多い。損なのはわかってる、でも自分を一人ぼっちにしたら可哀想じゃないか、って気持ちが未だに抜けきらないのだと思う。東田さんの言葉は、そんな私を一人ぼっちにしない。「人がどんな時も前向きでいたいと願っているということです」今の私も昔の私も同意する。2021/07/08

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