内容説明
本邦初!?の選挙エンタテインメント小説。
就職が決まらず落ち込んでいる阿部まりあは、千堂タマキから誘われて市長選のボランティアをすることになった。タマキは選挙プランナーで、今回無所属で二度目の挑戦になる鈴木眞寿候補からの依頼を受けていた。対立候補は、親子二代で市長を務める現職の辛島一郎。
選挙戦は、投票日までわずか10日間。
タマキは、まこと候補の演説の手の使い方から、演説で何を争点にするか、どこを訴えるのかなど、事細かに指導していく。
そのうちに、経理担当の女性が突然事務所に出てこなくなる。すぐに、彼女の名前で事務所に宅配便が届く。中身はいったい?
また、応援している鈴木まこと候補と同姓同名とほとんど同じ、「鈴木マコト」という第3の候補者が立候補してきた。彼女は、キャバクラ嬢でまこと候補との交際疑惑が!?
さらには、人気の前総理が辛島市長の応援演説にくるという情報が。
次から次へと訪れるピンチの連続に、タマキは巧みな対応で、プラスの方向に持って行く。
選挙の面白さ、難しさ、楽しさを全編を通して描いた、本邦初!?の選挙エンタテインメント小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mr.lupin
59
選挙プランナーの千堂たまきの活躍を就職浪人中の阿部まりあが選挙事務所のボランティアとしての目線で綴られた選挙エンターテイメント。もっと政治色の強い話かなっと思っていたがそんな事もなく、選挙事務所の雰囲気が良く伝わり面白かったです。選挙プランナー、なるほど~そんな仕事だったんだ、千堂タマキ格好良い女性です。☆☆☆☆★2018/04/07
らむり
50
選挙プランナーっていう職業は珍しくて、それは興味深かったんですけど、物語は平凡でした。。2014/10/29
ミスターテリ―(飛雲)
36
渡辺さんの作品は、社会派のテーマが多く少し複雑なものもあって骨太のイメージであったが、今回は単純に読みやすかった。あとがきにあるように、知人の選挙事務所に応援の花を届けてすぐに辞去するつもりが、ボランティア志願者と間違われ、気がつけば、皆と一緒になって必死にビラを折り、二週間に及ぶ選挙戦を共に戦い。その時に味わった感動と興奮がこの作品を書き上げる原動力になったらしいが、まさにそこにだけしぼって描かれているので、選挙当日までの10日間がリアルで、実際に選挙戦を戦っているようで面白かった。2023/01/15
アメフトファン
36
地方選挙の流れとかが良くわかり面白かったです。選挙活動へのボランティア活動を通じて成長していく主人公が爽やかでした。2015/11/15
Yunemo
25
「これっ、思った以上の面白さ」、読後最初に浮かんだ言葉。著者名につられて購読。こんな職業、あるんだ。細部にはいろいろ不可思議さが残りますが、選挙戦の暗部よりコミカルさに焦点を当てているので楽しめます。それにしても、全くの個人でできる商売なの、との疑問。報酬に対する結果を踏まえれば、このプレッシャーは半端じゃないはず。問題発見能力ですか、確かにこれが一番。問題解決力の危うさは自身の成功体験に頼ってしまうこと。こうして読めば、当然との思い。でも現実的には、自身はどうしてる、そんな想いが頭を駆け巡って読了。2014/10/05