内容説明
勤め先の植物園がお休みの朝、花咲家のお父さん草太郎(そうたろう)は少年時代を思い起こしていた。自分には植物の声が聞こえる。その「秘密」を抱え「普通」の友人たちとは距離をおいてきた日々。なのにその不思議な転校生には心を開いた……。月夜に少女の姿の死神を見た次女のりら子、日本狼を探そうとする末っ子の桂(けい)、見事な琉球朝顔を咲かせる家を訪ねる祖父木太郎(もくたろう)。家族それぞれの休日が永遠に心に芽吹く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
182
花咲家 カフェかもめ亭 コンビニたそがれ堂、風早の街、不思議なカフェ、コンビニ、花屋さんがあったりで温かでファンタジーにあふれて良いですね。2015/02/24
さてさて
163
『花咲家』の人々のその後を描いたこの作品では、前作以上にファンタジー色の強い、不思議世界を垣間見ることができました。そんな植物たちを見る時、そこには確かに命があり、長年に渡って私たち人間のこともずっと見つめてきた存在であるという事実に思い至ります。植物の心が分かる『花咲家』の人々が持つ力。それは植物のことを愛しみ、大切にしてきた彼らの先祖が偶然ではなく必然として手に入れた力なのかもしれません。そっと触らないと壊れてしまいそうな優しい世界観の物語、改めて、この世界に出会えたことの喜びを噛みしめた作品でした。2021/01/25
SJW
123
植物と会話が出きる等の魔法を使える花咲家の人々の休日でのそれぞれのお話。今回の連作短編は、父の草太郎の少年時代の友達の話、死神が見える次女りら子の話、未来から来たお兄さんと日本狼に会った桂、見事な青色の琉球朝顔屋敷での祖父木太郎の懐かしい思いでと悲しい記憶など、お盆とハロウィンにまつわる不思議な大人の童話。長女の茉莉亜とりら子、桂の姉妹と弟の仲の良さに心が暖まる。2020/12/13
takaC
100
薄い本なのであっという間だった。前巻にもましてオカルト色が濃くなってるね。でもややパターン化してるようにも思う。これの次のももう世の中に出回ってるのかな?2015/04/16
hirune
81
花咲家の人々は植物と意思が通じる不思議な力があるからなのか、異界やら神様やら未来やらホイホイの如く惹きつけるみたいで休日だって忙しそう☆村山早紀さんが描くと死神も幽霊も未来人も石の魔人だってとっても優しいですね。最後ガーゴイルが可哀想だった。。老人から「さよなら」の一言が欲しかったのだろうね( ; ; )2015/08/26