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内容説明
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』『官僚制』『職業としての学問』等、代表作からウェーバーの思考を知ることは、我々の社会と歴史を深く学ぶことである。そして現在の世界・日本が抱える諸問題を考える示唆に富み興味深い。また社会科学の根本概念に言及した書物は、宗教・経済・政治・法律など主要な分析対象を定義、論理的体系化を試みており、読み直す課題は大きい。思想・哲学を再考したい人への最適の入門書。(講談社現代新書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
106
本当にウェーバーの古典としての入門書だと思います。ウェーバーの著作については最近は私の知っている学生や大学院生に聞いてもあまり読んでいない人が多くなっています。ですのでこの本はそのような学生たちにはぴったりだと思います。四つの著作(すべて岩波文庫に収められています)についての解説が非常にわかりやすく読みやすさもあります。ウェーバー論争に入らずにいいと思います。折原先生などの著作は確かにいいと思うのですが、論敵をコテンパンにやっつけてしまうのでもう少しおおらかにならないかと思います。2015/10/15
esop
75
仲正さんによる著作。 これからマックスウェーバーを読むぞー!って人にオススメ、入門として先に本著を読んで予備知識を持っておくと、より深く理解できる。 マックスウェーバーの「プロ倫」「職業としての政治・学問」「社会科学の方法論」を分かりやすく要約してくれる。 ウェーバーの批判は現代の日本の状況にもあてはまっていて、その鋭い指摘は胸に刺さる。 頭のいい人がいたもんだ。 学問ってのは悪魔が生み出した業かもしれないが、悪魔や神々の属性を知るための武器でもあるらしい。それこそが学問の存在意義!2025/07/17
harass
59
社会学の大御所中の大御所の重要テキストを講義する新書。初心者でも分かりやすい。ざっと目を通す。「プロ倫」「職業としての政治」「社会学の方法論」「職業としての学問」の4つ。「方法論」は抽象的すぎるが、他はどれも現代に通じる部分があり、ウェーバーの目の確かさが分かる。「学問」で著者は現代日本の大学の講師事情、STAP細胞騒動などを絡ませて語る。2017/07/01
しょうじ@創作「熾火」執筆中。
24
ウェーバーを、宗教社会学・政治観・学問の方法論・学問観の4つの観点からの把握に努めたものであるが、ぼくには難しかった。仲正さんは、実はぼくと同学年である(1963-64年生まれ)。恥ずかしながら、ぼくは若い頃に学問を志していたことがあるのだが、こういう本を読むと、その道に進まなくてよかったと、つくづく思う(苦笑)。2016/02/29
シュラフ
23
数年前の仙石さんの問題発言「自衛隊は暴力装置~」はマックス・ウェーバーの『職業としての政治』がソースだったのですね。まったく知りませんでした・・・。この新書は、ウェーバーの著作の入門書なのだが、そもそもウェーバーの手がけた領域が宗教・経済・政治・社会科学・学問と幅広く、またその述べているところが中世まで遡っている部分もあって、正直に言えば私にはお手上げでした・・・。ただ、『プロテスタンティズムの倫理と資本の精神』に書いてあるように西洋の精神というものが資本主義発展に与えた影響の指摘については興味深かった。2015/07/04