内容説明
タイムカプセルに託した未来と、水没した村が封印した過去。時計の針を動かす、彼女の「嘘」。平凡な毎日を憂う逸夫は文化祭をきっかけに同級生の敦子と言葉を交わすようになる。タイムカプセルの手紙を取り替えたいという彼女の頼みには秘めた真意があった。同じ頃、逸夫は祖母が五十年前にダムの底に沈めた「罪」の真実を知ってしまう。それぞれの「嘘」が、祖母と敦子の過去と未来を繋いでいく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
340
【ダム部課題】推薦してくれた部員(と日本から本を送ってくれた友人)に感謝。騙されました、見事に。しかもそのトリックには、あとがき読むまで気づかなかったという。ダム湖に沈んだ村が目の前に浮かんでくるような描写にも圧倒されて。「ぜんぶ忘れて、今日が1日目って気持ちでやり直す」笑子さん、前向きな言葉をありがとう。2016/10/08
mae.dat
254
ミステリーなのかなぁと思いながら読んで行きましたが。中2逸夫くん目線で進行して行きますけれども、同級生の敦子ちゃん、2人の成長物語+祖母のいくさんもか。成長物語と言ってもうちの秀介くんですよ、当然生半可な訳が無く。光と陰、嘘と真が表裏一体で、中々に心が乱されますよ。発言を鵜呑みには出来ない(いつもの)。色々な誤解は解かないスタイル。特に敦子ちゃんへの虐めが物語の核を為すの。虐めのシーンは限定的なのですが、それが逆に脳内で増幅させます。そんなの柩に納めて封印したいね。書ききれないけど不思議リンクも読み所。2025/03/26
KAZOO
165
久しぶりの道尾さんの小説を読みました。ある少年の家族と友人たちがからむ物語でいじめなどの題材もあります。ただ以前に作者の読んだ本よりは印象が希薄な気がします。題名の意味はわかったのですが、もう少し人間関係や不思議なことなどがあると思ったのですが、雨の降ってくる様子が印象的でした。2022/10/29
にいにい
146
いつもの道尾秀介さんとは、ちょっと違うが、読後感がいい作品だった。イジメを隠そうとする少女でも、暗闇には耐えれそうにない。友達の死という過去に囚われる祖母、普通から逃れたい少年。物語は、時系列がよくわからないように書かれていて混乱するが、意図が分かれば、納得できる。人生これからの少女と幕際の老婆、二人の苦悩は深く解決策はないが、最後は、逸夫の成長、敦子の乗り越え、いくの安寧によって光が見える。笑子の考え方。天泣の見事な美しさが印象に残る。2014/09/12
相田うえお
143
★★★☆☆18059 なんか地味ぃ〜に登場人物が多いなぁ。その場面限りの人物が殆どだとは思うものの、名前が書かれていれば後々重要な人物だったりする事も稀にあるからチェックしまくってました。が、やっぱり主要な人物はそんなに多くはありません〜!脱線話を。小学生のときに遊び気分で友達とタイムカプセルを埋めた様な気がするんですが、何処に何を埋めたのか?メンバーは誰だったのかすら忘れてしまいました。軽いノリだとね〜。どっかのワン公みたいに、ご馳走を埋めて隠したはいいけど次の日には忘れてるのと一緒だね。2018/07/27
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