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内容説明
誰にも書けない「深海生物観察記」。
著者の石垣幸二さんは、世界にも類のない深海水族館『沼津港深海水族館』の館長であり、一方で、世界中の水族館や研究施設からの依頼で希少な海洋生物を納入している“海の手配師”としても活躍しています。自分で捕獲し、飼育・観察し、水族館での展示の工夫まで考えているのです。本書では、その石垣さんが実際に捕獲し、観察しているからこそ判った深海生物の不思議な生態や、飼育・展示の苦労話などを余すところなく語り尽くします。深海生物のカラー写真もたくさん掲載しました。
一方、“海の手配師”としての仕事もエピソードにあふれています。漁の際に船を出してくれる漁師さんたちとの付き合い方、世界一のサプライヤー(生体供給業者)を目指すきっかけになった人との出会い、採算を度外視してでも誠実に仕事をして信頼を得る、捕ることよりも実は搬送のほうが難しい……深海ビジネスを初めて成功させた男といわれる石垣さんの仕事への真摯な取り組み方は、ビジネス書としても一読の価値があります。
【ご注意】※この作品はカラー画像が含まれております。。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
42
著書は海の生物が好きで、様々な仕事を経て沼津深海水族館の館長になった。どうすればマニアでない人に興味を持ってもらえるか、ゼロベースから考えているという。生物と触れ合う現場でのエピソードが楽しい。深海生物であっても写真の美しさは重要だ。サギフエのシャープなフォルム、生きているチョウチンアンコウの表情、オキナワクルマダイの鮮やかな赤色。生き物の図鑑を読み耽っていた子供の頃を思い出す。深海は光がなく低温で、猛烈な水圧がかかるけど環境変化は少ない。地上と大きく違うから進化の凄さがよく分かる。沼津に見に行きたい2019/12/28
アーちゃん
28
図書館本→購入。沼津港深海水族館の館長である著者が書いた、3章構成のカラー写真つき新書です。私はもともと深海生物ものが大好きなのですが、何より写真のメンダコに惹かれ、中の写真に惹かれて結局購入しました。下田出身の著者が撮影する深海生物は愛情が溢れていてサメだろうがナマコだろうが全部可愛らしい。また文章も非常にわかりやすく、慣れない深海生物の失敗談やさかなクンとの出会いなどとても楽しく読みました。実はまだ行った事のない水族館なのですが、是非一度訪れたいと思います。2017/11/20
nbhd
22
…なかでもオドロキだったのは、チョウチンアンコウのオスだ。オスの大きさはメスのおよそ20分の1、精子を放出したあとでメスのからだに引っ付いたまま、そのままメスに同化してしまうのだという。カマキリより、すげぇ。2015/06/09
呉もよこ
12
前半は、図鑑のような深海生物の解説。 後半は、著者が「沼津港深海水族館」館長になるまでのエッセイ。 「わからない」という事がこんなにも人を引きつけ、魅力的なんだという事を改めて感じた。 後半のエセイでは「好き」と「ビジネス」の狭間にたつ館長の心情、そして好きを貫き、損得を抜いてやりとげた先に生まれた人脈・ビジネスとしての成功は、ただただ凄いと心が沸き立つ。ただ、巻き込まれる家族は、たまったもんじゃないかも知れない。現にお年玉取られてるし(笑)2017/08/27
文章で飯を食う
11
深海を初めてビジネスにした人だそうだ。最近の深海ブームの一翼をになっている。言っちゃ悪いが、まだまだ山師みたいな物なのかな。捕るのも大変、生かすのも大変。金儲けだけでなく、同じ考えの仲間を大切にする。あんまり、ビジネスライクじゃないところもおもしろい。2015/06/20