内容説明
たとえば括弧を空集合にしてみる。」あ、もしかして、先生……「こんなに自由な原稿を読んだことがあるか? 小説であり、小説でない。ミステリィでもエッセィでも詩でもない。創作の可能性を無限に広げる、奇才・森博嗣の新たな境地がここにある。究極の読書体験が味わえる話題作、待望の文庫化!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
119
タイトル通り、実に実験的な作品。思い付きの駄洒落に思い付きの叙述トリック、日頃思っている些細なことや気になるフレーズの数々。このような山無し、意味無し、オチ無しのやおい本的な作品を出版できるのは多作で多くのファンを獲得している森氏だからこそ。ただ森氏がこのような取り留めのない、まとまりのない連載をした理由は突飛なものを創りたかったからだが、世間はなかなかそれを認めないだろうとも主張している。即ちこの作品こそが作者のしたかった突飛な物(の1つ)であり、受け入れられないだろうと予防線を張っているかのようだ。2024/12/18
keroppi
69
筒井康隆「不良老人の文学論」で知って。森博嗣さん、実は初読なんです。最初にこの本でいいのだろうかと思いつつ、読んでしまいました。言葉遊びと発想の飛躍が楽しい読書体験。筒井康隆さんが後書きを書かれているだけのことはある。2019/09/07
kishikan
60
自分に正直になるというのは、結構勇気がいるものだ。他人に嫌われたくないとか、評価が気になるものだからだ。その点で、S&ⅯやVシリーズ、スカイ・クロラ、ホォグ・ハイダなど数多くの作品をデビュー以来驚異的なスピードで発表してきた、森さんのイメージを一変しかねないこのエッセイ。とは言っても、また新たな魅力発見で、ますます森さんの魅力が増すこと間違いなし。どこまでもクールで、客観的ながら、自由奔放、言いたい放題、駄洒落満載、良いですねぇ。気に入ったのは「女王」を何故ジョオウと言わないかのくだり、勉強になります。2016/02/11
ソラ
52
もう何か森博嗣節炸裂って感じ。初めて森博嗣って作家を知った人にとっては何が何やらだろうなと思う。個人的にはけっこう好き。2014/08/02
時間に追われる社会人
38
はっきり言って難しいのでつまみ食いのように読んだ。ネタをふんだんに盛り込まれている部分との緩急がいいリズムになり、最後まで飽きずに読めた。2016/04/20
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