内容説明
ギロリと眼を剥く曾我蕭白の雲龍図、岩佐又兵衛の血みどろ絵巻、そして大ブームを巻き起こした伊藤若冲の白い象──。花鳥風月を優雅に愛でる日本美術史の片隅ですっかりキワモノ扱いされていた「奇特な」画家たちを発掘し、ニッポンの美に禍々しき愉楽を与えた立役者。その自由な精神を育んだ生涯を綴る、初めての自伝。※単行本に掲載の図版・写真の一部は、電子版には収録しておりません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
42
今を時めく若冲、蕭白、更には岩佐又兵衛を世に知らしめた辻さんの回想録。何ということない「昭和の国立大学教授歴任」の日々を綴った(申し訳ないけどね)昭和満開の頁だったが、本人曰く「偶然が大きく味方してくれた」という言葉で結んだそうそうたるメンバーの交遊録である。内容に拘泥できる教養もない私には「「出会いも運」・・日の当たる場所にいればおのずから綺羅星が集まってくる訳で・・と感じれた。最近、私の周囲風景は若冲一色。西洋画家もさることながら日本の埋もれた画家が「何故埋もれてしまったか」という現象に気をひかれる。2016/04/29
zirou1984
22
『奇想の系譜』で有名な日本美術史家である著者が、齢80の時に自身の半生を振り返った回顧録なのだが、これが思った以上に面白い。禅画めいたふやけた表紙絵からも醸し出されている人柄の良さが文体から滲み出ており、当時は無名もしくは傍流であった若冲や蕭白といった画家を見出すに至ったエピソードには興奮させられてしまう。「遊びの研究などするのは、遊ぶことの下手な者だという」と自嘲しているものの、そのユーモアを交えた不器用さ、おかしみは、著者の発掘した作品と笑っちゃうくらいに重なり合っている。2019/01/03
kiho
13
見いだした絵画はさることながら、辻さんの人生の回想がまた興味深い⭐波乱の青春時代を送りつつ、自分の天職につかれたのもスゴイ♪2016/04/08
bluepand
2
予想外に面白かった。『奇想の系譜』で若冲や蕭白を「発見」した著者の回想録。大学時代に沖仲仕も経験しているそう。岩佐又兵衛の絵巻は私も見たことがあるが、全長400mで極彩色の仇討ち血みどろ絵巻だった。若冲を購入した米資産家プライス氏の邸宅も凄そう。2016/01/01
ゆき
0
私が日本画が好きになってきっかけの絵が、先生が蕭白を発見(?)した絵と同じと知って感激しました。奇想派と呼ばれる人たちは、その時代にはなんと呼ばれていたのかな?2015/02/28
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