内容説明
《田園交響曲》《南極交響曲》《天路歴程》《「富める人とラザロ」の5つのヴァリアント》……
20世紀の動乱のなか、イギリスの政治や社会を背景として、
先達エルガー、盟友ホルストらとともにイギリスならではの「国民音楽」を探求し、
フィンジ、ブリテン、ティペットら後進の作曲家たちを鼓舞しながら
「イギリスの声」をもとめた85年の生涯と不朽の名作の数々を、
イギリスを代表するジャーナリストが描ききる。
近代イギリス音楽史のみならず、
戦争と音楽をめぐる第一級の資料として、
いまこそ読まれるべき一冊。
──林田直樹(音楽ジャーナリスト・評論家)
ロンドン在住のヴァイオリニスト小町碧と
英文学者・高橋宣也による読みやすく格調高い翻訳と、
日本版だけに掲載された多数の貴重な写真も魅力。
巻末では、NHK-FM「鍵盤のつばさ」パーソナリティとしても人気の
作曲家・加藤昌則が9曲の交響曲の聴き方を親しみやすくガイド。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ろべると
10
「グリーンスリーヴスによる幻想曲」で有名な、イギリスの作曲家レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(RVW)は、1958年に85歳で世を去るまでに、9曲の交響曲を作曲した。最後の3曲は80歳を過ぎてからの作品だそうで、大したものだ。これまでイギリス全般についてあまり興味がなく、RVWも捉えどころがないと思っていたのだが、なぜか最近惹かれるものを感じる。ターナーなどの絵画やカズオ・イシグロの小説にも通じる、田園の夕景や荒れ狂う北海などの心象風景に戦争の体験も加味されて、近代英国の歴史絵巻をたどる思いである。 2022/12/05
Decoy
3
生誕150周年を機に刊行された、日本で初めてのヴォーン・ウィリアムズの評伝。生涯がコンパクトにまとまっており、英国固有の音楽を求める過程、戦時中の活動、晩年の驚異的な創作力などが、よく理解できる。ただ、著者による作品評価が、やや微妙に感じられる。原著が出てから20年以上が経過しているので、既に評価が変わりつつあるからだと思うが…(加藤昌則の寄稿は、その点を踏まえて載せたのではないか?)。あと、日本語訳がよりこなれていると、なお良かった。2022/12/13
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