内容説明
路地裏にひっそりと佇む、加納表具店。店を営むのは、若く美しい環。掛け軸や屏風に込められた思念を鎮める仕事を引き受けている彼女のもとには、様々な事情を抱えた妖怪が相談を持ち込んでくる。 今回登場するのは、音痴なのにミュージシャンををめざす〈鵺〉、弁護士として働く〈天邪鬼〉、そして〈雪女〉の蓮華。彼らの切ない物語に触れ合ううちに、高校生・洸之介は将来の進路を深く考えるようになる──。 人間と妖怪が織りなす、ほろ苦くも微笑ましい、どこか懐かしい不思議な物語。多くの読者に愛されたシリーズも、これにて完結!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hirune
100
個性が豊かすぎる妖たちに囲まれて相変わらず振り回されている洸之介、受験生なのに?^^;そしてお母さんも何考えているかわからないし。。夢より安定を一番に進路を決めるまるで「まれ」みたいな洸之介が周囲に揉まれて自分の心を見つめ直す巻でした。人間にも妖にも満遍なく愛されてるなぁ、洸之介☆最終巻楽しかったけど、鵺の奏の口調が好きになれなかったのが玉に瑕かなぁ( ̄ー ̄)2015/10/18
七色一味
83
読破。シリーズの最終巻。なんでか? そっか、主人公が卒業するからだ!(多分ウソです)☆最後、人間の話で締めたのは良かったです。彼が今後、どういうカタチで表具と関わっていくのか、興味はありますね。ただ非常に残念なことに、表具に関する知識が皆無なもので、作品中その部分に関しては「へ~」「ほ~」程度で流してしまった。でも、今後掛け軸とか見るときは本紙以外にも着目したいな。2015/04/14
dr2006
69
第三弾。連作四編の中で「雪女」が一番良かった。10年前の冬、今と同じ高校生の姿をした雪女の蓮華は、公園のベンチで肩を落とす美涼と出逢う。意気投合した二人は花火に行く約束をするが、素性を隠し夏場に弱い蓮華は約束を破り、それきり疎遠となった。そんな蓮華が28歳になった美涼と再会することになるのだが…。妖怪は人間が想像した存在だ。人間を超えた存在が一種の畏怖を以て人間を戒めたり励ましたりする。最終話「人間」で主人公洸太郎の成長が描かれ物語は完結するが、これだけキャラがたっていて面白いので、是非続巻が読みたい。2021/03/23
真理そら
66
タイトルから可愛い妖怪たちの物語かと思って読み始めたがそうではなかった。伝説の表具師と呼ばれる美貌の化狐が営む表具店で見習いをすることになった男子高生・洸之介の物語だった。天狗鎌鼬雪女鵺座敷童河童と登場する妖怪は個性的で自己主張も強いが、それ以上に迫力のある洸之介の母親、この母親を守るために進路を決めようとしてたなんて…。2023/06/29
ぶんこ
61
面白かったです。 表具という未知の世界を垣間見られたようで、これで終わってしまうのが残念でなりません。 表具の世界を映像で見たいので、テレビ化されることを願ってしまいます。 洸之介君の進路が決まって、それも表具と関係している専門分野とは、ぴったりですね。 大学生活も読んでみたいです。 どんな勉強をするのでしょうか? 興味津々です。 そういえば「描き表具」、ピンとこなかったので検索してみたら、素敵な画像が沢山ありました。 こういった作品を拝見すると、表具師は職人というよりは芸術家だと思いました。2015/06/03
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