内容説明
19世紀末ロンドン。仕立て屋のジェレミーと彼の店に入り浸る自称デザイナーの貴族エドガーは、客から「メイドが魔女を名乗っている」という話を聞く。同じ頃、人体が突然発火するという奇怪な事件が勃発し――
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす@灯れ松明の火
71
表紙が繊細で凄く素敵です。服飾に関する部分は繊維の違いなんかもわかって、中々面白かったです。そうか、あの時代レーヨンはまだ野の物とも山の物ともつかないものだったのか…。でもその部分にばっかり意識が集中して、また紙幅もだいぶ割かれているので、華麗なる事件簿の部分は残念ながら飛び飛びと言うか、とっちらかっちゃった印象を受けました。別にこれだと華麗なる事件簿にしなくても問題ないのでは。テーラー男子二人の尾仕事っぷりをもっと見ていたい。ずっと気になっていた新しいレーベルでしたので、ちょっと様子見で丁度良かったです2014/09/08
ううち
55
19世紀末ロンドンでデザイナーと仕立て屋コンビが謎解きをするというお話ですが、当時の服飾の事などが詳しく書かれていて、エドガーのデザイン画が見たくなりました。エドガーとジェレミーそれぞれのエピソードも良かったです。外国人の名前ってなかなか覚えられなくて苦手なのだけど…読みやすかったし、続きも読んでみたい。2015/07/08
カナン
46
再読。19世紀末の倫敦。貴族の四男坊のド派手スタイルと、ラヴリーなデザイン画と服飾ネタの数々。専門書を漁るのも良いけれど、この本で美青年達と一緒に有名店のチョコと紅茶を頂きながら、ゆるーく甘いファッションの話に、プラス時々ビターで猟奇テイストな話が混じるティータイムは如何でしょう。ミステリーは割とあっさり解決されていきますが、その分変わり者だけど愛嬌のあるデザイナー・エドガーと、真面目で純朴なジェレミー、彼らを取り巻く仲間達の描写に頁を割いているので、映像を想像しやすいキュートな事件簿に仕上がっています。2017/12/05
すみの
29
貴族御曹司のエドガーはオックスフォードに進みながらも勉学の合間に服飾専門学校にも通った珍しいイケメン四男坊。最近のお気に入りはドット柄のタイ。莫大な祖父の遺産があり、ドレスデザイナーとして同世代のジェレミーが店主の仕立て屋で仕事をしながら、仕事で使う生地の特徴をヒントに貴族階級が絡んだ事件を解明していく話。シリーズ第1作は『レーヨン』がカギ。人が自然発火し、焼死する連続事件の謎。仕立て屋ジェレミーはメゾンではなく家業の仕立て屋を誇りに思う、コツコツ頑張る堅実な男。彼のテキスタイル知識はさすがです。2016/06/29
瀧ながれ
24
せっかくいいイラストレーターつけたのに、カバーだけってのは寂しくないですか?とアンケート葉書に書いて出そうと思う。時代の光景とか雰囲気を「衣」から見られて、とても楽しかったです。「シンデレラは魔法でドレスをもらえたけど、自分では縫わなかったのよね。こんなに楽しいのに」というセリフが素敵でした♪2014/06/22