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内容説明
2015年には独り暮らし高齢者600万人、「最期は家で独りで」の時代が始まる。そのために知っておきたい現実…。例えば、遺体の検視は? 2,3日以内に発見されないと? 葬儀、遺品、部屋、遺骨などはどうなる? 男性のほうが孤独死しやすい? 多少でも財産があれば親族が現れるって本当? 悲惨でない孤独死とは? 政府が「自助」を唱える時代にどうすればよいのか? もはや他人事ではない孤独死問題への必読の書。(講談社現代新書)
目次
プロローグ ケアマネジャー時代の経験から
第1章 検視医や援助職の立場から―遺体発見の現場
第2章 孤独死問題はどう考えられてきたか
第3章 葬儀業者や遺品整理業者からみた孤独死
第4章 家族と地域社会の変容と孤独死
第5章 家で亡くなる、病院で亡くなる
第6章 いま、地域で独り暮らし高齢者を見守るということ
エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大阪魂
51
高齢者の孤独・孤立、ほんま深刻やと思う…うちの近所でも一人暮らしとか夫婦だけの高齢者増えてきてはるしコロナでますます…近所づきあい大事やと思うけど、みんながみんな人づきあい得意な人ばっかりちゃうし、とくに会社しかなかった男性とか難しいかも…自治会とか民生委員も大事やけど善意だけに頼るのは無理やと思うしやっぱ自治体とか警察とか企業とか学校とかいま地域で動いてはるのを活かして、緊急時に助けなく1人でなくなるってことないような、最悪でも亡くなっても2日以内で発見できるよーなこれからの仕組みつくっていかんとやね…2023/06/15
kinkin
41
65歳以上の一人暮らし高齢者は日本人の27人に一人だという。2015年には21人に一人、年々急増している。孤独死は1970年代にも問題視されたこともあるが、1990年代頃までは社会の関心は薄れていく。再び孤独死が注目されるようになったのは阪神淡路大震災であり、2000年以降の構造改革に伴う非正規社員の増加と派遣切りによるまだ若年層の孤独死である。孤独死と自殺死は約6万人、人口の8%が特異な死。先進国という言葉にふさわしくない国になりつつある日本。これからどうなるのだろう・・・・2014/05/29
キムチ
29
現場の人間にとっては周知のことながら、極めて平易に説かれた副読本と言える。「死の社会化」は不可避の事態であり、自助・公助・互助(共助)の関連性はそれぞれの地域、生活スタイルで考えて行かねばならない。結城さん、よくマスメディアに登場し、解り易いスタンスで解説される。「今世紀初めて」というような天変地異が続出している。そしてアベノミクス、政党間論争では語られる事がないダークの部分、読んでいて面白いはずもない事象だからこそ、50歳を超えたらある程度常識として知っておいて欲しい内容だと感じた。2014/10/07
壱萬参仟縁
27
孤独死とは、自宅で看取られずに亡くなり、死後数日で発見、自殺や犯罪性を除く遺体(12頁)。悲劇をつくらないためには、気にかけ、気にかけられる社会にしていくことが重要だという(18頁)。同感。身寄りのない自治会で簡単な葬儀を行い、無縁仏となる運命(45頁)。孤立との違いをこだわり過ぎる必要はない(64頁)。来年、21人に1人は独り暮らし高齢者(94頁)。地域社会で認知症が理解されず、孤立高齢者を生み、孤独死予備軍を増やすことになる(112頁)。ゆゆしき事態。 2014/09/06
ゆう。
25
年間3万人を超える孤独死。人にとって、孤独死とはどういう意味を持つのか、現状をリアルに捉えつつ、考えることのできる本だと思います。孤独死は、独居老人の問題であるだけではなく、老老介護の家庭や認知症介護を孤独にしている家庭で介護者が先に死をむかえた家庭など、孤立した世帯の問題でもあります。死は尊厳の問題と結びついていると思います。社会が個人の尊厳をどのように守り、人びとがその人らしく生きて死ぬということを社会が支える仕組みづくりが必要なのではないかとも思いました。2015/03/13