- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
「生命の起源」は誰でも一度は抱く疑問で、その謎への挑戦は科学ロマンの一つである。粘土鉱物の専門家である著者は、生命の源となる分子の誕生には、地球に大量に飛来した隕石が深く関わっており、しかも、それは海中ではなく、地中の奥底深くで行われた可能性が高いという。「生命はなぜ生まれ、なぜ進化し続けるのか?」。きわめて原初的な問いかけに対して、科学的に明晰に答えたエキサイティングな作品。(講談社現代新書)
目次
第1章 ダイナミックに流動する地球
第2章 なぜ生命が発生したのか、なぜ生物は進化するのか?
第3章 “究極の祖先”とは?―化石の証拠と遺伝子分析
第4章 有機分子の起源―従来説と原始地球史概説
第5章 有機分子の起源とその自然選択
第6章 アミノ酸からタンパク質へ―分子から高分子への進化
第7章 分子進化の最終段階―個体、代謝、遺伝の発生
第8章 生命は地下で発生して、海洋に出て適応放散した!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tetsu
33
★3 地球が冷却してゆく過程でエントロピーが減少するということにはちょっと疑問が。地球が冷えることで熱分布が均質に近づくことがエントロピーの増大と思うけど。 それはさておき、地球の歴史を論理的に推測し、検証実験を行い、それを証明するという非常に科学的手法で、生命誕生の謎に挑んでいるのはとても素晴らしい。 ただ、途中までである。 アミノ酸のL体D体のあたりから細胞膜や遺伝についてはさらっと流してどうも怪しい。このあたりが一番知りたいところである。 やはり私が生きているうちに生命の謎が解けることはないのか。2021/12/10
書斎六尺
23
これまで広く信じられた「太古の海は生命の母」や「宇宙起源説」等の生命起源論とは全く異なり、生命発生と進化を一連のものとし、46億年全地球史と一体・直結したものとして捉えている。また生命発生と進化がなぜ起きたのかその物理的必然性を熱力学第2法則に論拠し、生命はエントロピーの減少である事から解き明かしている。この刺激的で斬新な説に大いに驚愕し胸躍りワクワクさせられた。また実験により補強された説や要所要所に配された図が非常に効果的であった。DNAの複製・転写・翻訳機能の進化の過程などはこれからの研究を待ちたい。2014/06/27
壱萬参仟縁
19
表紙を捲ると地球軽元素進化系統樹が出てくる。46億年の進化過程が一枚の図式で表現されている。進化の本質は変種の出現とその選択(4頁)。 図や注が豊富で、論文のようでいて、漫画に写真もあるなど、多くの読者層に支えられる重版も納得の構成。内容はかなり素人には高度に感じた。有機化学の知識がないと、第5章は厳しい。北極の移動(37頁)というのは、 昨今の温暖化で北極海の氷が溶ける問題を考えるヒントとなる(37頁)。 5億年前とかの自転はどうだったのか、ロマンを感じさせる。 2014/09/06
Anthony
12
長年の謎に正面から答えてくれた初めての本。どうして生命が生まれたのかについて、真摯に物理、化学の視点から専門外の人にも分かるように説明されていてとても面白い。学生時代に知識からは相当変わっているんだろうな、かれこれ20年だし。46億年の生物の歴史と銘打って10ページくらいで20億年進んでしまうような本とか、いきなり結論に飛躍して訳が分からない本でがっかりしてきた人にはお勧め。もう20年経つとまた違う結論にうのかもしれないけど、こういう切れ味でみんなに理解できる形で説明できる本はもっと世にあってほしい。2018/09/09
もりの
9
すごいなあ、とは思うけどとりたてて興味がわかなかった2017/03/14