内容説明
讃大仁(サンドニ)の英雄バシリスクは盗まれた秘宝を捜す旅の途上、ケ・イキョー国に足を止めた。前王ヨードの崩御に始まる内紛と外敵の脅威に揺れるその国には三択の刑があり、重罪を犯した者は『胡戎魯(コジユール)の迷宮』『芽出臼(メデイウス)の回廊』『占犂牟(ウラリム)の坩堝(るつぼ)』から一つを選ばねばならない。暫定王位に就いているレツと、ヨードの子ライモスを推す老臣エゼカイオらとの確執に巻き込まれたバシリスクは三択の刑を科され、まず回廊に、次いで迷宮に挑む。自身の使命を全うできず焦りを募らせながらも、ケ・イキョーの行く末を案じて幾多の謎に立ち向かうバシリスク。秘宝は見つかるのか、そして王位は誰の手に?架空の国を舞台に展開する、ファンタスティック・ミステリ!解説=城平京
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TANGO
28
確かに、ゆるゆると行きつ戻りつするよりは、ジェットコースター並みに展開が早いのは、ワタシ好み。迷宮や秘宝、絶世の美女に神獸、王位継承問題に密室殺人等々、掘り下げれば何巻にもなりそうなのに、わりとあっさりとエンディングを迎える。「第一作」と銘打ってあるので、シリーズとして、まだまだ解決してない問題や、主人公の今後に期待。2016/04/19
おくりゆう
8
解説にもあるとおり「展開が早い」作品で、それが多少、物足りないというか気になる部分でもあり、同時にこの作品の良さでもあると思います。ミステリとしての畳み方もファンタジーとしての世界観も個人的には好みですので、シリーズ化するなら読みたいです。2014/09/26
六花
5
異世界ミステリ。盗まれた秘宝を捜して放浪するバシリスクは、砂漠で襲われていたケ・イキョー国の女性を助ける。盗人の情報と引き換えに、その国で起きた殺人事件の謎を解いて欲しいと頼まれ、次第に王位を巡る争いに巻き込まれていく。独特の世界観は良かったけれど、バジリスクが清廉潔白な人なので文章が堅苦しく、何度も睡魔が…(-_-)zzz。意外だったのはバジリスクがあの人を好きだったこと。おくびにも出してなくて、そこに一番びっくりポンしました。2016/03/26
鳩羽
4
とある役目を負った腕の立つ神官が、他国の王宮内でのごたごたに巻き込まれる異世界ファンタジー風のミステリ。怪物が閉じ込められた迷宮での殺人や、誰か分からない語り手のモノローグ、王族に絡む権謀など、要素がはっきりとしている。文章も人物への感情も、簡潔で深入りしない。それが展開の速さにつながり、謎を謎のままにしておくための秘訣なのかもしれない。あっけらかんとした悪党の潔さ、人生の短さを感じることができて、登場人物はそれほど書き込まれていないけど、親しみを感じられた。2014/06/11
saifu
2
ファンタジーとしてもミステリとしてもそして小説としてもここまで合わないのはキッツイ。まさに苦行。2017/09/17
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