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内容説明
1964年に世界初の高速鉄道として日本に誕生した新幹線は、2014年で50年を迎えた。日本初の高速鉄道技術はどう変化し、進歩し、停滞したのか。本書では、新幹線が歩んできた50年の歴史を技術の視点で振り返りながら、リニア中央新幹線の建設も見据えて将来像を考えていく。新幹線とともに鉄道技術人生を歩んできた筆者による渾身作。(ブルーバックス・2014年4月刊)
目次
第1章 高速鉄道の元祖
第2章 新幹線の建設と開業
第3章 JR発足と速度記録への挑戦
第4章 列車ダイヤとサービスの変遷
第5章 リニア中央新幹線の建設
第6章 世界的に見た新幹線の技術
第7章 新幹線の近未来像
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
WATA
34
「新幹線50年の技術史」というタイトルのわりには、技術の歴史に関する記述が少なくて残念。高速鉄道の歴史について書かれているのは前半だけ。後半は新幹線とリニアの問題点を指摘する内容になっている。また前半の内容も、海外の高速車両の紹介や、新幹線の運用面の話題(ダイヤ編成の話や国鉄ストの話)が混じっており、純粋な「新幹線の技術史」の内容はさらに少なく、全体の1/4ぐらいしかない。個人的には少し期待はずれだった1冊。2014/06/04
calaf
18
新幹線の安全神話は幸運に助けられたものという話は聞いた事がありますが、それ以外にもいろいろな問題点が山積の状態なのですねぇ...日本の新幹線は世界に誇れる高速鉄道というのは確かではあるものの、あくまで一面から見た評価に過ぎないようです。パッケージ売りなんて相手国も自国(日本)も損をする状態なのだなぁというのが良くわかります。2014/08/12
C-biscuit
10
新幹線の歴史を技術の変遷で振り返る本である。個人的には、細かな技術ではなく、インフラのような大きな視点で書かれているように感じた。特に、在来線への接続ニーズや車内サービスなどにも切り込む内容は特徴的である。興味深かったのは諸外国との比較である。新幹線やリニアを輸出しようとしている日本において、優位性や不利になる部分なども感じることができた。特にフランスTGVとの速度競争が思い出された。0系から順に車両の紹介もあるが、少ないのが、少し残念な部分でもある。特に500系もたったの1ページなのが寂しい。そんな本。2015/05/12
牧神の午後
9
技術には科学技術だけではなく運用技術も含まれてます。また単なる歴史だけではなく、現在の技術面での評価や今後の改善に向けた取組み、海外への技術輸出の可能性などにも触れていて、かなり盛り沢山。後書きから読む派の著者らしく、後書きに興味を引くエッセンスをちりばめているのが流石(笑)。個人的な白眉は、パッケージ輸出に対する「輸入側のニーズを見ていない」という指摘。変に囲い込みをしようとしても、ユーザニーズと合致していなければ採用されない、というのはITサービスと共通のメンタリティを感じました。2014/08/01
Hyos(元jpn1024)
7
まだ自分が生まれていない頃に民営化に至った国鉄. その根本的原因はパンタグラフや電車線を管轄する部局が異なり,そのために全体的な電車の特性を充実させることができなかったためである(タテワリ組織の弊害)ということを確認した. 新幹線の集電装置による騒音問題について: 民鉄の列車の中にはほとんど無音のものがあるが,これは摺板がカーボン製であるためとのこと. これを新幹線に適用しようという研究もあるが,脆さや摩耗の激しさがネックとなっているようだ. また時間を設けて再読したい.2018/04/09
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