内容説明
「NHK市民大学」のテキストに加筆修正した、決定版入門書。真言宗・天台宗という日本の密教を、世界の仏教史中に位置づけ、歴史、教義の概略、大日如来をはじめとする数多くのほとけを体系的に紹介。諸経典をふまえて密教諸尊を視覚的に配置したマンダラについて、代表的な胎蔵マンダラと金剛界マンダラを中心に、種類、構造、思想、それぞれのほとけのマンダラにおける役割や、マンダラの多様な展開について、平易に解説する。(講談社学術文庫)
目次
1 秘められた万華鏡的世界
2 密教の流伝(流伝の道 花開く日本密教 ほか)
3 広がる密教の宇宙(縦・横クロスの密教の教え 即身成仏へのカリキュラム ほか)
4 マンダラとは何か(マンダラとは 色と形のシンボリズム)
5 華麗なるマンダラのほとけたち(両界マンダラの知恵 マンダラにおけるほとけたちの機能 ほか)
6 現代と密教的宇宙
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
姉勤
39
表題ズバリを専門的かつ解りやすく解説している本書。密教(秘密仏教)については、成り立ちと発展、教義と、日本に渡っての文化/社会的関わり、主尊(大日如来)やメジャーな諸仏(不動明王など)を解説。後半は曼荼羅について、主に両界(金剛界,胎蔵界)曼荼羅について解説。図説を多用し、目の付け所の手ほどきと、専門知識が頭に入ってくる。他宗の仏、ヒンズーを始め他の神々を取入れ、煩悩とされる交合さえも即身成仏(この辺も解説)の手管とするあたり、人間のいいものは取り込む、多面多肢の密教系仏像に似たハイブリッドな印象をもつ。2018/01/26
りっとう ゆき
7
密教に関してテーマごとにわかりやすく書かれてた。自分のなんとなくの知識がまとめられてよかった。密教って最初厳しいイメージだったけど、日本のに関してはおおらかだなあと。人より上の絶対神を崇めるのでなく、仏(宇宙)も自分も同一線上にあるって考えがなごむ。世俗的なことも許されるとか。それに、悪いものとか、異宗教の神まで取り込んじゃうとかすごいよな。もとはユング心理学との関連で興味を持ったのだが、それほど人間の精神と密接に関係してる気がする。あと、マンダラの種類も知れてよかった。(細かいとこは飽きて飛ばしたが…)2021/10/03
たすたす
3
非常にわかりやすく、かつ丁寧にまとめられていて入門書として最適だった。特にマンダラの特徴(多様だが中心があり、方向性を持つ)が述べられていて面白かった。ただし、マンダラについては少し辞書的な解説でもう少し深めたいと思った。2018/03/30
Go Extreme
2
密教への現代的関心とその背景 視覚的体験的な要素の魅力 生命エネルギーの積極的な活用 本来的な仏性の内在性 半僧半俗の修行体系 芸術表現としての密教美術 総合性宇宙性芸術性体験性の特質 異次元への継続的なアプローチ 即身成仏の思想的深化 六大の融合による即身状態 三密行法の総合的実践 四曼荼羅による世界表現 密厳国土の現実世界性 仏俗次元の区別解消 四恩による関係性の自覚 灌頂という資格確認儀礼 阿字観の瞑想実践 シルクロードの信仰伝播2025/05/13
Kichitaro Horikoshi
2
密教の特徴点を列挙すると、次のようになります。 1 総合性 2 宇宙性 3 芸術性 4 体験性 まさに21世紀に必要なものがすべてそろっていますね!2020/12/26
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