内容説明
1冊でたどる「チェ・ゲバラ」の生涯
南米アルゼンチンの裕福な家に生まれ、医師になるも、貧困と圧政と腐敗の覆う現実を憂い、キューバ革命へと身を投じたチェ・ゲバラ。彼はどのように行生き、どのように死んだのか。いまなお全世界で語られる伝説の男、ゲバラを描いた不朽の傑作評伝、増補版。
目次
第1章 メキシコまで(その出生 腕白小僧 ほか)
第2章 グランマ号(街頭写真屋 フィデル釈放 ほか)
第3章 奇跡の革命(世界への旅 カストロの辞任 ほか)
第4章 別れの手紙(祖国か死か 工業化への苦闘 ほか)
補章 コンゴの日々
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
saga
64
キューバ危機。リアルタイムには知らないが、キューバを巡って米ソが緊張状態となり、あわや第三次世界大戦に発展かと思われたことと、カストロ、チェ・ゲバラの名前だけは知っていた。本書を読むと、超大国に抑圧された民衆のために身を挺したチェの生き様に感動する。それは日本人のメンタリティに近いからかも知れない。キューバの共産主義は、抑圧され続けた民衆を開放する政治信条として納得できるし、革命直後のカストロ体制に悪いイメージは持てなかった。コンゴ、ボリビアでの革命闘争の失敗と、チェの死が本当に痛ましかった。2021/12/11
茉莉花
27
革命に生きた男、チェ・ゲバラ。アルゼンチンの裕福な家に生まれ、医者として安定した生き方も出来たはずなのに彼は違う道を選んだ。悪政に苦しむ貧しい民のために彼は革命に身を投じた。この本の中ではキューバ革命の話が一番好きだ。非常に困難な状況下でいつ死ぬとも分からないのに信念のために戦うさまは壮絶で心打たれる。戦略でヒットエンドランがあったのだけどある芸人を思い出した笑 また、キューバ解放軍は戦いの最中、負傷した敵軍を治療したり、薬を必要としたときは金を払って買っていた。そういった心遣いもあり人心を得たのだろう。2016/04/20
nobody
20
アメリカ軍事顧問団の援助によりゲリラ戦の訓練を受けたレインジャー部隊1800名対50名。50名のうち生き残ったのは3名のみ。これがゲバラ最後のボリビアでの戦いである。誰が上流階級への鑑札たる医学博士の肩書を捨て、アルゼンチン屈指の財産家の娘との結婚を捨て、愛する妻と5人の子供との幸せな家庭を捨て、キューバ工業相の地位を捨て、こんな戦いに再び身を投じるだろうか? それがゲバラである。ボリビアを見よ、そこにはゲバラがいなかった。いたのは共産党のモンへという薄汚い俗物だった。ためにボリビアで革命は成らなかった。2016/09/19
しんたろう
19
「落ち着け、そしてよく狙え。お前はこれから一人の人間を殺すのだ」出典チェ・ゲバラ - Wikipediaボリビアにて捕虜として捕えられ、処刑される際に、銃撃を躊躇する敵軍兵士に向かって言った最後の言葉。☆ゲバラは日本に来た際、広島へ行き献花した。 ☆ゲバラは日本の革命家である坂本龍馬を尊敬していた。2016/07/01
Sakie
17
ラテンアメリカの歴史。スペインの帝国主義、次いでアメリカの資本主義に中南米は搾取され続ける。搾取への反抗、独立闘争の立役者としてゲバラとカストロは現れた。武器に頼らなければ国を変えることができなかった状況下に、「純粋な革命家」として名を遺したゲバラ、その人生を辿ると、精神の稀有さに目を見張る。人間の魂のあるべき姿を求め闘い続けた人生に見えた。1959年に来日した際、ゲバラは注目されるどころかマスコミは無視、閣僚は冷遇した。革命の精神にほど遠い日本国内でゲバラ本やグッズが未だ根強いのはファッションなのかな。2018/07/13