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内容説明
「男の性」は、エロやモテるモテないといった言葉で消費され、真剣に語られることはなかった。そのせいか、性欲は尽きない、セックスしたくてたまらないとか思われているが、本当に男は皆そんなにエロいのだろうか。そういった疑問に答えるべく、「射精」「自慰」「童貞」「初体験」「恋愛」「性風俗」「結婚」といった誰もが気になるテーマを根本的な部分から考えなおす。性問題でこじらせてしまう前に読みたい一冊。女性もこれで男の本音がわかる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
120
記号による射精の貧しさと、ケアとしての射精の豊かさの対比はよくわかる。ネットワークや異性とのコミュニケーションの大事さも理解できた。射精介助サービス等の活動を行う著者の生き方は、本書の現実的・実践的な記述にも現れており好感が持てる。ただ、描くことより裸を見せることに主眼を置くデッサン会や、SEXの前に裸を見せ合うことへの過剰な拘りはわからなかった。むしろ私は、夜這いの、「あんたの所に柿の木はあるか~私が登ってちぎって(契って)もよろしいか」という問答の大らかさが好ましく、闇の中で抱き合う優しさを夢想した。2020/03/14
GAKU
43
題名に惹かれて読んでみたが、著者の認識には今一つ共感出来なかった。残念な1冊でした。2018/11/25
小鈴
37
これはオススメです。高校の保健の授業で配布して欲しい。童貞や射精、セックス、恋愛をネタ化することなく、また説教じみることもなく、男子の性を深く掘り下げ、具体的なビジョンを示しています。マンガやアニメ、ゲームやAVを通じて自慰行為することが習慣化し、女性をモノ扱いする記号が蔓延した社会であり、性にまつわる言葉も貧しく、男性自身も性から疎外されているのが分かる。そんな社会状況から、どのように豊かな性を取り戻すことができるか。この男性の病を治さなければ女性の幸せもないかも。二村ヒトシや宮台よりオススメ。2014/04/10
おさむ
33
中高生向けの性教育本です。「エロ」と「愛」の2つの言葉を使わずに性の問題を真正面からまじめに語ります。著者は東大卒で、障害者の性問題を考える社団法人の代表。先日、NHKのファミリーヒストリーで桂歌麿師匠が遊郭で生まれ育った生い立ちが紹介されていて、かつての遊郭のしきたりや実態がよくわかりました。遊郭=公娼というシステムや文化がなくなった現代の日本社会では、性問題が非日常に押し込まれその為にデマも蔓延している。中身は至極真っ当ですが、意外とありそうでなかった本ですね。2017/12/23
たまきら
32
探すな、買うな、作り出せ!という言葉にすべてが込められている。「男子の品格」とでもいうべきだろうか。視覚的な情報に左右されがちという男性の欲望に特化する「記号」という考え方は勉強になった。男性の性欲は、時に大きな問題も引き起こす。まじめに、そして多少ユーモアを持って。語り合える場をつくっている人たちバンザイ!2019/02/26