サイレント・ニーズ ― ありふれた日常に潜む巨大なビジネスチャンスを探る

著者名：ヤン・チップチェイス【著】/サイモン・スタインハルト【著】/福田篤人【訳】

英治出版（2014/07発売）

• ISBN：9784862761774

内容説明

<p>【『「行動観察」の基本』著者 松波晴人氏推薦!
「新しいものの見方」という武器を提供してくれる一冊。】


Apple、Microsoft、SONY……世界のトップ企業が注目する
frogの敏腕デザイナーが明かす行動観察手法
「デザインリサーチ」のすべて!

消費者一人ひとりが、朝起きてから寝るまでに何をするのか?
何に憧れ、何を望み、何を怖れているのか?
街中の「看板」にどんな意味が隠されているのか?

こうしたことを明らかにすることでどのような未来のマーケットやビジネスチャンスが見出せるのか。
世界50か国以上の10年以上にわたるリサーチ経験から得られた知見が詰まった一冊!

●「デザインリサーチ」=さまざまな企業が注目する「デザイン思考」にもとづく調査法を紹介。

●商品開発、市場調査、マーケティングなどの問題解決に役立つヒントが満載。

●著者は日本通! 携帯電話や電子マネーなどについて独自の知見を披露。


●日本語版のために各地で撮った写真を多数収録。

世界中を駆け巡り、ビジネスに役立つ洞察を導き出す著者が、
ありふれた風景の中に潜んでいる豊かな意味とチャンスを見出すための
「新しいものの見方」という武器を提供してくれる一冊。
――松波晴人(大阪ガス行動観察研究所 所長、『「行動観察」の基本』著者)</p>

目次

第１章　心の一線を越える
第２章　日用品による社会生活
第３章　過去、現在、未来の波をつかむ
第４章　持ちものは人を表す
第５章　文化的コンパスの微調整
第６章　信頼の問題
第７章　本質を見出す
第８章　大いなるトレードオフ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[haru]

★3/5 ノウハウ本ではなく、著者のものの見方を紹介する本。こんな仕事をしている人がいるんだあと興味深く読んだ。リサーチのため現地に赴き、現地の人と同じように過ごすことで見えてくるものがあるのには納得な一方、文中でも触れられている通り、遊んでいるようにも見えるこの活動を堂々と行うには信頼の積み重ねと胆力が必要そう。逆に一人仕事なら誰に言い訳することもなくどんな体験からでもインサイトを得られる気がするから、訓練してみよう。

2024/08/16

[Shinta]

この本を読み実際にデザインリサーチを何件もやってみると、結局ほんとに大切なリサーチは他人に任せきってはだめだということ。一人称の視点で、自分ごととしてその現場から何を気づき持ち帰り、更にデザインすべき対象に昇華できるかが価値である。精緻なデータをいくら集めても、コンセプトに繋がる斬新な切り口を見つけられなければそれはリサーチのためのリサーチでしかなくなる。だからクライアントも外部支援者たるデザインリサーチャーも共に現場に入って見て聞いて、議論することを繰り返す。そのことを本書はその重要性を示唆している。

2014/08/16

[らんゆー]

この著者のやっていることはとても興味深い。具体的な事例がほしい。もったいない感じ。

2015/08/18

[しっかりけちべえ]

単純なアンケートや統計からは得られない情報を、現地のフィールドワークで洞察する。 自分自身の常識を極力排除し、ゼロベースで体感し、本質を見極める。 何にコスト（お金や時間）を使い、何に使わないか。一見すると不合理な行動に感じるが、製品の機能や品質だけでなく、感情や見栄も考慮した上で、彼らにとって合理的な経済活動をしている。特に資源が限られた（貧しい）人たちはその傾向が大きい。

2015/03/01

[Hajime Ito]

統計データから多くの情報を引き出せる現代でも、いやそんな現代だからこそこの本で提示されているような人間への洞察-インサイト-が必要となります。途上国へのステレオタイプを破壊し「低収入だから安いものを買う」ではなく「低収入だからこそ製品やサービス、その価格に強くこだわり、合理的に行動できる」人も多くいるために先進国では既存サービスにより実現が難しいが合理的なサービスが産まれる余地も大きいことがわかります。何より著者がいかに人間を洞察しようと努力しているか、問題を解決しようと熱心に働いているかが伝わりました。

2014/11/05