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内容説明
時間と空間を超えてつながる新しい人間関係のもとで、ハイパー資本主義以前にみられた贈与経済を彷彿させる「シェアリング・サービス」が勃興している。さらに「社会がウェブをコピーする」なかで、絶対に安泰と思われていた事業が思いもよらない競合に浸食され、組織づくり、イノベーションの作法、教育までもが根本から変化している。はたして「昨日の常識が通じない時代」に私たちが身につけるべき「視座」とは何か。人間はウェブの力を味方にできるのか……。フェイスブックの歴史的意味からウェアラブルコンピュータによるパラダイムシフト、日本企業が行き詰ったほんとうの理由、そうした混沌の先にある未来までをも一つの線上で論じきった、渾身の一作。
目次
第1章 ウェブ2.0以降の世界はこう変わった(人間中心主義へと向かうインターネット ウェブ1.0のパワーとは「中抜き力」 ほか)
第2章 「シェア」が生み出す新しい資本主義(グーグルが無料で利便性を提供する理由 「スマイル0円」というマニュアル化の極致 ほか)
第3章 なぜ日本企業は「オープン」に対応できないのか(カーナビメーカーを苦しめるグーグル 次の勝者は「多くをつなげてしまった人」になる ほか)
第4章 「ウェブをコピーした社会」が向かう未来(SFの世界を想起させるグーグルグラス 現実と仮想を重ね合わせるミクスト・リアリティ ほか)
第5章 常識の通じない時代を生き抜く「7つの視座」(リアル社会にこそ「ウェブ的思考」を持ち込もう 失敗をしよう。失敗を許そう ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
WATA
54
インターネットが私たちの日常をどんな風に変えてきたか、をまとめた本。前半は具体的なネットサービスとその影響の紹介、後半はこの変化に適応できる個人や企業の条件の考察。1つ1つの話は面白いが、本全体としては内容がやや発散気味。個人的になるほどと思ったのは、フェイスブックに言及している部分の「友人たちのネットワークをどうデザインするのかを考えるべき」という主張。SNS上の繋がりをコントロールし、ネットに溢れる情報の中から自分に有益なものだけが勝手に浮かび上がるようにするという使い方は、今後主流になりそう。2014/05/02
yamaneko*
37
ウェブの発展によって、均一な情報から強弱のある情報へ。検索エンジンがSNSを取り込んで、検索する人の嗜好や行動歴まで加味して判断するようになったり。立体プリンターの活用も広がっていく。将来は未知だけど、色んな可能性を感じさせる。2014/05/03
珈琲は深煎りで
27
これは現代の教養、というか必修科目みたいなもの。今のウェブやテクノロジーがどんな具合になっていて、その変化の激しい時代を生きていくにはどんな考え方が必要なのかというところまで述べている。よくまとまっている良書。大前氏が帯で言う「新・ウェブ進化論」の文字がまさにピッタリ。2014/05/06
hatayan
25
2014年刊。 ウェブ2.0以後の2010年代、ソーシャルメディアの普及により人間力とハイテクが融合、自らをオープンでシェア可能にすることが価値を持つようになりました。 迅速かつ柔軟に物事を進めるにはウェブ的な思考が有効。長く悩むより早く始めることを重んじ、真剣に挑戦した結果の失敗は許容して組織として学習すべきであること。 とはいえ生きた知性や文脈はネットだけでは手に入らず、周りの力を借りてアイデアをバージョンアップさせていく必要があること。 不確かな未来を進むための考え方に触れられる一冊です。2019/02/18
kubottar
24
サイエンティスト(=理系)とロマンティスト(=文系)がタッグを組むとき素晴らしい発明が生まれるという言葉が印象に残った。2014/05/12