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内容説明
15世紀後半~18世紀後半、4万人以上の魔女が殺戮された。中世ではなく、近代黎明期に魔女狩りが大流行したのはなぜか? 「魔女狩りとは何か」という問いかけは、「ヨーロッパ近代とは何か」とイコールである。魔女狩りとヨーロッパ近代誕生の関係を新視点から解き明かす。視覚文化論、哲学、宗教学的な知見を盛り込み、魔女狩りの歴史研究を通したヨーロッパ近代化論、および人間存在と人間文化を探究した冒険的著作です。(講談社選書メチエ)
目次
第1章 異端から魔女へ―中世末(カタリ派と「魔女」 異端審問と魔女裁判 ほか)
第2章 「魔女熱狂」時代前夜―十五世紀(『魔女の槌』 クラーメルの魔女狩り ほか)
第3章 バロック時代の中の魔女裁判―十六~十七世紀(視覚とバロック 王権と魔女狩り ほか)
第4章 魔女裁判時代の終焉と西欧近代の始まり―十七世紀後半(『世界図絵』と視覚 『世界図絵』における魔女描写 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こきよ
36
多くの人が、ネットをはじめ、各種メディアの情報を甘受しているに過ぎない、現代社会は、神学者や、異端審問官の見解によって魔女狩りが横行していた、かの時代と、本質的には似通った部分もあるのではないのだろうか。2014/07/06
小木ハム
14
15~17世紀、西欧では未だ自然とファンタジーがごっちゃの時代。カトリックの中で異端の噂⇒魔女信仰⇒大真面目に裁判が行われていた。魔女とは言うが実際には男女混合で、割合として女性が多かっただけ。旧約聖書のイヴは魔女の原型とされ、精神的に不安定だから悪魔の誘惑に負けるのだという当時の女性観(不安定なのは生理症状や更年期障害の事だろう…生理学の発展は19世紀以降だ)で女性=他者という差別が根付いていた。また海には魔物が棲み、山は未開の故郷とされ忌み嫌われており、付近に住む人(バスク人)を差別する風潮もあった。2020/11/14
坂口衣美(エミ)
6
魔女狩りをヨーロッパの近代化と言う歴史的な視点から捉えた本。もっとおどろおどろしいことが書いてあると期待したのだが、ちょっと違ったみたい。女性を「聖女 」と「魔女」とに二分する思考や、女性=他者として差別してきた歴史はとても興味深い。現代でも女性が社会の周縁に置かれているという状況は完全になくなっていないだろう。日本での視覚と近代化の関係を考えるのも面白そう2014/07/16
海野
5
何故魔女狩りが広がり、何故収束したのかを詳細な資料と共に宗教史、思想史と照らし合わせによるアプローチで解読を試みている。初期の魔女狩りがドミニコ会・フランシスコ会の対立から「自説の正しさを証明するためにむしろ魔女が出て来て欲しい」という空気がの元に行われていたのが窺い知れる下りが色々やるせない。2014/07/21
紫
4
2014年刊行。悪名高い「魔女狩り」の中でどんなことが行われたかという点は最小限の扱いでして、「魔女狩り」をめぐる理論の変遷がテーマであります。中世の知識人の間では「魔女」の実在は案外に迷信扱い、肯定論、否定論の間で論争が盛んに交わされていたのが、「真実よりも真実らしさ」が歓迎されるバロック主義の近世を迎えたことで「魔女狩り」支持の一辺倒に。「魔女狩り」否定論が保守主義、時代遅れとされ、肯定論が現実的で進歩的な考えだとされていたのはまるで現在のトンデモ歴史や陰謀論の流行ぶりを見るよう。星4つ。2022/07/22
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