内容説明
55年体制が崩壊してから20年。その間、野党に転じながらも常に復活してきた自民党。戦後日本をリードしてきたその足跡を、誕生から現在まで検証する。歴代首相や自民党のキーマンはもちろん、党内で烈しい政治闘争を繰り広げながら、その戦いに敗北し、総理になれなかった政治家にも光を当てるほか、「アベノミクス」を掲げて政権をスタートさせた安倍内閣の復権の内容と特徴も考察する。戦後の出発から民主党政権崩壊までを網羅した、初の自民党史!
※本電子書籍は紙書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
19
派閥。宏池会、清話会、平成研究会(22頁)。お仲間、お友達集団。中曽根はその他か。アジア問題調査会には小泉信三を介して、赤松要、山本登、板垣與一、原覚天、大来佐武郎という新進気鋭の学者や官僚が結集(91頁)。池田内閣の月給2倍論(103頁)は現代の非正規雇用にこそ必要で、そうなれば多少は世の中安定するものの、アベノミクスではあかーん。中曽根は’41年東京帝大法学部卒。内務省入省。国防費対GDP比1%の見直しに、‘85年8月靖国神社公式参拝でアジア各国から批判(139頁)。プラザ合意で円高ドル安。 2014/12/31
西澤 隆
5
自分がリアルタイムに遭遇していない時代のひとのことを読んでいた前半部では「教科書のようなさらっとしたまとめだな」と思う。でもだんだん今に近づき、知っている政治家が登場するようになってくると「へえこの人をこう酷評するのか」など筆者の色が見えてくる。じゃ、きっと昔のひとたちのこともいろいろ賛否の分かれることを書いているんだろうなと想像したり(笑)。この手の本では失策の批判はある種の定番。もうすこし「この時打ったこの手が後で効いてきた」的な政局に紛れて見えにくい「いい政治決断」を読みたかったなという気がします。2019/07/03
スズツキ
4
概要を知るにはグッド。2014/06/02
スプリント
3
戦後の自民党結党前から民主党から政権を奪還した後の安倍政権までを網羅しています。コンパクトにまとまっていることもあり全体の流れを理解するには最適です。派閥の系譜をみると現在の派閥のトップに個性もカリスマもないことに驚かされます。2014/04/03
百木
1
55年体制の成立から政権の中枢にあり続けた自民党の党史を「派閥」の変遷と変容にスポットを当て通史的に追った内容。内容としては概要的なレベルに留まるのでざっと知りたい人向け。政争の結果が我が身に降りかかると思うと多少なりともアレですけど一歩引いて見ると時折交えられるエピソードなんか結構面白いジャンルですね。あんまり読まないジャンルなので新鮮でした。2017/06/16