内容説明
ロシア革命を逃れ、日本に亡命した
白系ロシア人女性の数奇な運命を辿る
ロシア革命を逃れてさまよう亡命の旅のさなかに産まれた、実在の白系ロシア人女性をモデルに描く感動の巨編。困難な状況を克服して日本に亡命。戦前・戦後の混乱期を生き抜き医学を志し、「医師としての本質」を体現するまでの女医となる生涯を、城山三郎賞受賞作家が書き下ろす、畢生の超大作。(全2巻)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あきむら
10
母親としては失格かもしれませんが、人間としては誇れる生き方だから、二人の子供達も自分の人生をしっかり生きていけるのでしょうね。最後までマリアの悲しみを理解することが出来なかったです。2016/10/23
sasha
4
ん~、上下巻を読み通した私が悲しかった。ロシア革命、ハルピンへの脱出。日本への亡命、女医への道、戦中の外国人差別、開業した病院で持ち上がった労働争議…。ドラマ化されないのが不思議なほどにドラマティックな人生。なのに、著者の思い入れが空回りか。物語として、人物として非常に興味深い人なのに、著者が重点を置いたところと、私が知りたいと思ったところがまったくシンクロしなかった。著者の力量不足か。改めて評伝で読みたい。誰か書いてくれないだろうか。2014/08/20
Fumoh
3
下巻は眼科医として独立、診療所を開き、子どもたちにも恵まれるが、仕事やさまざまな問題に忙殺されてしまい、手が回らないなりにも幸せな日々が続く。戦後の日本は革命運動が盛んになり、外国人という特殊性から目をつけられ、嫌がらせを受けるようになってしまう。作者はロシアから逃亡してきたマリア(ピニロピ女史)と、共産運動の対立関係を意識しながら書いていたと思う。ラストは天安門事件などの余波も描き、20世紀後期の混乱した時代背景からは逃げられないこと、その上で過去と現在、そして未来の方を向くマリアを描いて幕となった。2024/06/08
Apollo
3
武谷ピニロピさんの治療を受けたことがある著者の、彼女への尊敬の深さがよく分かる。波乱盤上な人生で出会ったあらゆる悲しみを抱きながら、自分の時間のほとんどを医療に捧げている彼女の姿を、ある種偶像のように称えたくてタイトルに「悲しみ」をつけたのかな。過激派労組とのトラブルや、(おそらく1976年の)天安門事件勃発時に中国に旅行したのがフィクションなのか実話に基づくのか判断できなかったので、今度は彼女の実名を使って足跡をたどるノンフィクションを作っていただきたいな、と思う。2015/11/06
たら
3
ご存命なのかな?NHKの朝ドラの主人公になってもよさそうな波乱万丈の人生。2014/05/29
-
- 電子書籍
- くまみこ【分冊版】 144 MFコミッ…
-
- 電子書籍
- 転生ドンファン12【タテヨミ】
-
- 電子書籍
- ウィッチ殺竜ゼミナール~転生賢者は魔女…
-
- 電子書籍
- 2021年上半期 12星座別あなたの運…
-
- 電子書籍
- ジュエルケース42