内容説明
弟妹を養うため、冗談のような求人を頼りに物の怪が跋扈する朔月京に出てきた少女・結。勤め先である貸し物屋「登花楼」を支える面々は、美しいがあまりに個性的だった。常人ばなれした身体能力の青葉から、採用試験代わりに大量の家事を押し付けられ右往左往する結。狐の三兄妹がお互いを遠ざけてほしいという依頼をそれぞれ持ち込んできた。兄妹がいがみ合うなんて、と妹の依頼を止めようとしたが……。第9回C★NOVELS大賞特別賞受賞後第一作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hirune
36
自分勝手な妖狐やら手に負えない黄泉の国の神様やら有象無象の物の怪やらの跋扈する見捨てられた廃都で、一番ズルくて危険で強かなのはやっぱり人間だった(^^;;二転三転して無理やりな大団円を迎えた感じかしら。しかし自分に戻った主人公になんかモヤモヤさせられるんだよね。何もここまでウジウジした後ろ向きな性格じゃなくても良いのになぁ★とりあえずアタマは良いし、仕事ができるのは認められてるんだからさぁ☆2016/04/11
nana
22
狐に健気な子とタイトルとカバー絵に誘われて読みましたが相当ハードな内容でした。でも軽い読み口で読み切れました。続きがあるので読みたいと思います。2016/04/07
秋製
20
幼い弟妹達を養う為、結は冗談で出されたような怪しい求人にすがって物の怪が跋扈する朔月京に奉公に出る。貸し物屋「登花楼」の使用人たちは、見た目は麗しいが其々が個性的過ぎる面々ばかり。採用試験?に大量の家事仕事を任されていた結。そこに狐の3兄妹が個別に「兄弟達を遠ざけてほしい」と依頼を持ってやってきた。結いは狐の3兄妹の「仲直り」=「依頼の取り下げ」の為に奔走することに。その件がきっかけとなり、「登花楼」の未来と結自身に関わる事体へと発展していく。2014/04/21
SONICA
12
前作でも思ったけど、菫さんの描く物語は命の重さや人と関わることの複雑さ・大切さを感じさせる。今巻は、終わりまで読んでやっと始まりという感じだったので、これからの展開がすごく楽しみ。2014/11/14
t-snow
9
これはとても好き。女の子が出稼ぎで物の怪だらけの都に、というコミカルな始まりで、居場所を作ろうとする元気いっぱいな格闘が楽しい。そして、楽しいだけじゃなく、暖かさも厳しさも合わせもった物語が胸にきました。決して優しくない世界の中で生きていく在り方や、人間から見た神様の異質さの描き方が良かったです。2014/04/16