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内容説明
明治10年9月24日、鹿児島。西南戦争において薩軍の総指揮を執っていた西郷隆盛は進退極まり、城山にて自らの腹に刃を立てた。腹心により介錯された西郷の首級は、官軍歩兵第7連隊の千田登文中尉が発見、山県有朋によって首実検された――。
本書の主人公は、西郷の首を発見した千田登文その人です。現在、金沢市長町の千田家には、表紙に「履歴書」と大書された和紙100ページほどの文書が保管されています。これこそ登文が生前自らしたためた、いわば自叙伝。産経新聞編集委員で歴史にまつわる著作も多い大野敏明さんが、癖のある墨文字で書かれたこの履歴書を丹念に読み解きます。戊辰戦争の生々しい戦いの様子、西南戦争における薩軍の最期、そして日清・日露戦争。この第一級の史料をもとにして西郷の最期に迫り、また軍人として生きた千田登文の生涯を描きます。千田の竹馬の友が後に西郷の盟友・大久保利通を暗殺するという運命の皮肉にも驚かされます。
目次
序章
第1章 戊辰戦争
第2章 西南戦争の勃発
第3章 西郷自刃
第4章 日清戦争
第5章 日露戦争
第6章 晩年
終章 その後の千田家
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とくけんちょ
46
西郷隆盛の首?そこにどんな歴史的ミステリーが潜んでいるのか。ワクワクしながら、読み進めました。タイトルをきちんと理解していませんでした。西郷隆盛ではなく、発見した男、つまり千田登人という人物の生涯を描いた本でした。ミステリー感は薄め。まぁ、ちゃんとタイトルを理解してなかった自分が悪いです。2020/02/14
nishioda
4
西郷首を発見した人の履歴書といったところの本。もう少し西郷さんの最期の話や城山の戦いを知りたいと思ったが、そういう話ではなかった。2024/10/13
田中峰和
3
維新の立役者、西郷隆盛は西南戦争で切腹し、彼を追い込んだ大久保利通は鎮圧後暗殺された。切腹後紛失した西郷の首を発見した千田登文と大久保を暗殺した島田一郎は加賀藩出身で竹馬の友。これは名もなき軍人千田とその一族の歴史を追った書だ。写真を撮らなかった西郷は首を発見されてもその死は断定できない。当時大接近した火星から西郷が見守っているとか、ジンギスカン義経説のような英雄待望論につながりかねない。従兄の大山巌にまで首実検させ、世間を納得させた。歴史上名を知名度の低かった千田や島田にも、それぞれの歴史があったのだ。2015/08/25
Kiyoshi Utsugi
2
題名は、「西郷隆盛の首」や「西郷隆盛の首を発売」ではなく、「西郷隆盛の首を発見した男」であることに注意すべきでした。? 西郷隆盛の首を発見したと言われている千田登文(せんだのりふみ)氏の一生を描いているものだったのですね。? この千田登文氏の娘婿に陸軍大将であった今村均がいたことはビックリでした。(笑)2018/07/07
駄目男
2
西郷さんの首発見で歴史に名を留めたと言っても過言じゃないですね。 島田一郎との関係も新たなる発見でした。 西郷贔屓の私としては是非とも読んでおかなければいけない一冊との出会いで、長年の靄が晴れたような気持ちです。2014/03/16