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内容説明
裁判官というと、少し冷たいけれども公正、中立、優秀といった印象があるかもしれない。しかし、残念ながら、そのような裁判官は、今日では絶滅危惧種。近年、最高裁幹部による、思想統制が徹底し、良識派まで排除されつつある。 三三年間裁判官を務めた著名が著者が、知られざる、裁判所腐敗の実態を告発する。情実人事に権力闘争、思想統制、セクハラ・・・、もはや裁判所に正義を求めても、得られるものは「絶望」だけだ。(講談社現代新書)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
269
やや説明が冗長に感じたが、元裁判官の生の声が書かれていてよかった。いろんな悪い話があるなぁと思った。2015/08/09
えちぜんや よーた
111
本文中さかんに『イヴァン・イリイチの死』(レフ・トルストイ作)という物語が登場する。裁判所判事で順調に出世した主人公は、次第に死の恐怖が迫り、読んでてこっちが辛くなるという内容。その作品からの比喩がタイトルにある「絶望の」という言葉と見事なまでにマッチングしている。ご本人もおっしゃるように、裁判官としての道ではなく、人文・社会学系統の学者と言う道も「あり」だったかもしれない。2014/04/29
Willie the Wildcat
71
満足度は「18.6%」!?効率性の追求から出世レース等による官僚体質。階層性、閉鎖性、肩叩きによる早期退官など、どこの世界も同じだなぁと感じる。挙句の”ラットレース”・・・、辛らつだなぁ。確かに時代に即した変化は認めるも、法治国家としての”ボトム”はまだ捨てたものではないと信じたい。著者の和解における苦い経験に、現場の苦労という観点で共感。一方、Specialist vs. Generalistは微妙。一定の後者経験は必要も、前者があっての話という気がする。2016/07/23
k5
67
司法シリーズ②。これもスキャンダラスなタイトルですが、『裁判官失格』とは異なり、中身もスキャンダラスでした。自分のいた組織を糾弾するというのは、悪口になってしまいやすく(この本も章のタイトルで「心のゆがんだ人々」とか書いてますし)なかなか難しいですが、かなり論理的で正当なのではないかと思いました。ただアメリカの裁判所の方がいいという論法はスコット・トゥローの小説を読んだり、最近のニュースを見ているとそうでもないかと思ってしまいます。2022/07/24
リズ
63
ネット読書にて、完読。司法の世界。人を裁く裁判所。声があがらなかったら、何もおこらず期待を裏切る。書類の処理仕事的な、事務仕事。権力者による裏切りが、行われていた。残忍極まりない。2015/07/05