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内容説明
息子介護とは、嫁でも娘でも妻でも夫でもなく、息子が親の介護をすること。今、息子介護者は着々と増えている。やがて親類や会社、家の近所を見渡せば、あの男性もこの男性も息子介護をしている、という日が必ず来るのである。著者は28人の息子介護者からの聞き取りをもとに、彼らがどんな思いを抱きながら周囲の人々と関わり、家事や介護をこなし、仕事との両立や折り合いをつけたりつけなかったりしているかを、丁寧に描き出す。
目次
第1章 息子介護の「いま」―統計から見える傾向と、それだけではわからない経験
第2章 親の介護と、「妻」との関係―嫁のいる息子が介護者になるとき(「夫が看れば、妻は楽」―とは限らない 介護する息子と、その「夫婦のカタチ」)
第3章 「きょうだいではなく、なぜ自分が…」―介護責任をめぐる論理と応酬(男きょうだい:息子介護者にならなかった息子たち 女きょうだい:嫁いだ姉妹との関わり方 ほか)
第4章 「息子の看方」とその見方―オトコであることの困難と希望(オトコの家事の、オトコの見方 母を介護する男ゴコロ ほか)
第5章 家族外のネットワーク―家の外で息子が「介護者をする」こと(息子介護者と「職場の人びと」 親の介護と友人関係 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
珈琲は深煎りで
34
他人には言いづらいことだけに、他の介護者たちがどのようなスタイルでがんばっているのかを知ることは、クローズドな介護事情において、かなり重要な意義がある。2014/05/08
1.3manen
26
表紙見返しによると、息子介護とは、 息子が親の介護をすること。 特に認知症になると逃れられないな。 困ったことだ。 男性介護研究の先行者は津止正敏先生(33頁)。 後日調べてみたい。 クレア・アンガーソンによると、距離の近さは、 介護しない女性の罪悪感を増幅するという(44頁)。 嫁の務めですもの、とは、 亡くなった祖母の台詞。 嫁/姑問題は根深いが、 嫁の立場も大変だ。 介護は突然やってくる(122頁)。 心構えとか、そういうのは行政の政策、制度も 必要なのではないか? 2014/05/16
ちえ
25
仕事柄、漠然と感じていたことが書かれていて、そのあと、著者の本は出版されると読んでいる。そのきっかけになった本。2017/03/29
のの
23
「息子介護」について考える前に、ケアワークにまつわるジェンダーの問題に引っかかりまくりでした…。上野先生の解説がなかったら、この本の位置づけに悩んでしまっていたかも。2015/02/14
柊子
18
実母が「要支援2」だが、兄夫婦と同居しているので、一通りのことはやってもらえる。が、やはり行き届かないことは多く、たびたび母が不満をもらす。それを兄夫婦にどこまで伝えたらよいか、いつも悩んでしまう。娘の私も姑と同居している身。この先、実母のことも姑のことも、どうなるのか予測もつかない。巻末の上野千鶴子さんの解説がとても分かりやすかった。本文よりもずっと・・・・2014/11/06




