ちくま文庫<br> 自力と他力

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ちくま文庫
自力と他力

  • 著者名:五木寛之【著】
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 筑摩書房(2014/08発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480431394

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内容説明

俗にいう「他力本願」、人まかせの考え方とは正反対の思想が真の「他力」である。人に頼ることはできない、そして、自分の限界もはっきり見えた、そんな絶望のどん底を自覚した時に、人は「他力」の感覚に出会うのだ。二つは相反するものではなく、他力とは自力を呼びさまし育ててくれるもの、「自力の母」なのである。「仏教のこころ」の核心をつづり、今日を生き抜く指針を示した一冊。

目次

他力は「甘えの構造」ではない
他力の風が吹かなければ、ヨットは動かない
他力の思想は、真の絶望から発する
人は歴史を身体に刻みこんで生きる
家の宗教は、個人を超えた記憶につながる
「他力」は二十一世紀のキーワードである
宇宙の時空をつらぬくエネルギー、それが他力の世界
大きな「他力」を感じつつ、「自力」を忘れない
他力は自力の母である
宿命は変えられないが、運命は変えられる〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

naoっぴ

63
五木寛之さんの著書を初めて読みましたがとても良かったです。仏教の視点からの様々な考え方が私の気持ちにしっくり馴染み、ああそうか、これはいつも心にあることではないかと、ほっとするような、後押ししてくれるような、忘れていればそれを思い出させてくれるような内容でした。仏教用語としての他力本願は辞書にあるような意味ではなく、限界まで頑張った末に訪れる大いなる力、それを信じるということ。そこには自らの実力のみと思うべからずとの謙虚な精神も含まれていると感じます。何度も読み返したい一冊。2018/02/08

おさむ

42
「他力本願」の真の意味を教えてくれます。単なる人任せというのは間違い。自分の限界を知り、絶望のどん底になって初めて他力の大切さが理解できる。人生は理不尽で矛盾だらけで、確かなものなど何もない。だからこそ、他力が助けになる。英訳本を出した時、「TARIKI」とするしかなかったエピソードが書かれてましたが、自力が一番の米国人には理解できる出来ない考え方なんでしょうねえ。日本人で良かったー笑笑。2017/03/21

あまね

14
読み進めるごとに、心に染み渡る本でした。五木寛之さんは初めて読みましたが、マラソンの伴奏者のごとく読者に寄り添ってくださいます。天命に従って人事を尽くした末、大いなる力にお任せすることを他力本願だと理解していましたが、本書を読んでもっともっと深くおおらかなもののように思い直しました。折にふれ、読み返したいと思います。2017/03/14

ゆう。

10
僕は無宗教だけど、浄土真宗のいう他力本願は、人間の真理をついていると思っています。この本は、その他力について、自力とは何かを考えながらも深く探っていく本となっています。人間は他人がいて初めて自分を発達させ、成長させることができます。親鸞の他力は他人にすべてをゆだねることではありません。ここに誤解があります。自力本願はどこが利己的で僕は好きではありません。他人を認め、自分の弱さを認識し、他の人と共に歩もうという思想が他力本願だと思うのです。すべてに同意できるわけではないけれど、考えさせられた一冊でした。2014/04/18

可不可

2
『他力』とあわせて読んだが、どちらかというと『他力』のほうがよい。というのも、刺激的だったから。こちらのほうは、前書よりこなれているものの、自力の説明が不十分で、「自力」「他力」と対比させた書名にはあまり納得感がない。2021/05/10

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