内容説明
あの日、僕はすべてを失った。
生きるために、青年が選んだのは復元納棺師となって死と向き合うことだった。
実在の復元納棺師をモデルにした真実の物語。
定職につかず漁港で働いていた22歳のフリーターの彰紀は、前向きで明るい地元の美容師・えり奈と出会い付き合い始める。
初めて大切なものを見つけた彼は、周囲の反対を押し切りえり奈と結婚。家族を守るために必死に働き出す。
長男も生まれ、二人目の出産を控えた幸せの最中、東日本大震災が起こる。
長期間の漁のため、船に乗っていた彰紀が初めて次男を抱いたのは、泣くことも、笑うこともできない冷たくなった我が子だった。
すべてを失った彼は、故郷を離れ、ひとり死ぬことを考える。
死ぬこともできなかったある日被災地でボランティアとして働いている復元納棺師の存在を知る。
死ぬ前に、自分にはできることがあるかもしれない、と弟子入りをお願いするが……。
震災も、失った家族のことも忘れる必要なんてない。
「助けてあげられなくてごめんね」と後悔だらけだった日々から一歩踏み出した青年の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
モルク
114
東日本大震災、津波で妻と二人の幼い息子たちを失った角尾彰紀が主人公。家族もおらず定職にも就かず荒れた生活を送っていた角尾は、美容師のえり奈と出会い恋に落ちる。守るものができた震災前と、津波が襲った町で愛する家族を探す姿そして納棺師となるその後を描く。実話に基づいているので感情はリアルであり涙なしに読むことはできない。また避難所にとどまっている人々は家族が見つからない、見つかってもお見送りすることがまだできないという理由からここで堪えているということを改めて知る。テレビだけでは伝わらない想いを感じた。2021/10/03
こうじ
108
⭐️⭐️⭐️⭐️4/5 とても良かった(*^_^*)号泣とまでいかなかったけど、最後は、素晴らしい人に出会え天職を見つける事が出来て羨ましくも感じだよ。やっぱり神様は休んでなかったかもね。^_^みんな鬱病で頑張って治そうという担当ないかなぁ。鬱を理解してくれる人と一緒に仕事がしたい^_^;2015/09/15
優花 🍯モグモグ
87
震災の哀しみ、大切な人を失う怖さや哀しみ。胸が締め付けられました。そして胸にズッシンと響きました。読んでいて震災について想うこと感じること次から次へと出てきますが、感想を書けば書くほど伝えたい言葉が見つからず、とっても簡単な感想になってしまいました。2017/05/12
おくちゃん🍎柳緑花紅
86
トミザワさんのレビューに惹かれて早速読みました。泣けて泣けて仕方がありません。タイトルに全てが現れています。実話を元に紡がれた真実の物語。胸をうちます。。最後の「あとがきにかえて」はモデルとなった川村祐也さん。是非読んでみてください。オススメの1冊です。2014/06/09
有
71
失って、手に入れて、また失って、手に入れて、そうやって生きていく。失ったものは2度と戻らないでも、確かな幸せは消えずに、時に心を苦しめ、悲しみに支配され、そしていつか、これからを照らしてくれる光にかわる。生きる限り、また違うものに巡り会う。傷は消えない。願っても叶わない。辛いことばかり。それでも、生きなきゃいけない。信頼できる視線を、愛することを教えてくれたえり奈、そのえり奈を育ててくれた家族。そういう繋がりの中に、私もいるのだろうか。誰かを照らせるような、力強い人になりたいと強く思った。2014/06/05
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