内容説明
一冊の本を端から端まで読むと、なにかを「知る」以上の体験ができる……物語を手がかりに人間の心の深層を見つめ、鋭い考察を重ねた臨床心理学者河合隼雄。豊かな読書体験をもとに、カフカ、ドストエフスキー、ユングから村上春樹、吉本ばなな、児童文学や絵本まで、「深くて面白い本」二十冊をテーマごとに読み解く。縦横無尽に語り下ろした晩年の貴重な書。『心の扉を開く』改題。※文庫版に収録されていた解説は、電子版では掲載していません。ご了承ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
156
読友さんからのおすすめの本。著者の言葉を借りるなら「読まな、損やでぇ」と思わしてくれる本であった!ユング心理学の第一者の河合さんが本を紹介している本である。ユング心理学からの解釈は本当にためになるし勉強にもなる。この本は著者の河合さんが無くなる直前に書かれたものである。まず始めに読んで欲しい本20冊。さらに読んで欲しい本が20冊。合計40冊は私たちに向けた置き土産ではないかと思った。こころを常に向き合ってきた河合さんの目線で選ばれた本とその本の解釈について知りたい人は是非読んで欲しいと思った!2021/05/09
KAZOO
112
お気に入りさんが読んでいたので手に取ってみましたが、以前に岩波書店から出されていた「心の扉を開く」(既読)を改訂して出されたもののようです。読んだ内容をすっかり忘れていましたので再読しても楽しめました。四つの章に分かれ、河合先生のご専門の心理学的な観点からの話を様々な本を読み解くことによってわかりやすく話ことばで語ってくれています。「まず読んでほしい本」と「もっと読んでみたい人のために」で5冊づつの本が紹介されています。読んでみたい本がいくつかありました。2025/04/26
はたっぴ
92
仕事の移動中、目に留まり無意識に手にした一冊。河合先生のお薦めによる「著者の心が伝わり、自分の心もわかっていく」体験ができそうな珠玉の作品が掲載されている。こちらは最晩年に書かれたもので、“読書を通じて心の扉を開き、頭で考え、心で感じる経験をしてほしい”という願いが行間からひしひしと伝わってくる。村上さんやばななさんとの対談内容も印象深いが、ここに掲載した著書を何度となく読み込んだ上でまとめられた深層心理がとてもわかりやすく熟読。児童書や脳科学、人類学や宗教まで網羅した本のお話だった。私の必読書となった。2016/07/30
naoっぴ
91
河合隼雄先生の本を初めて読み感銘を受けているところです。心の奥深くを見つめることのできる本を、心理学的観点から紹介する読書案内書。素晴らしい本でした。自分の心を深く深く掘り進んだ先にあるものを探す、心の深層に迫っていけるような読書の醍醐味と魅力を存分に教えていただき感無量。おすすめの本は多分野にわたり難しい本から児童書までさまざま。魂を刺激してくれそうな本ばかりでできれば全部読んでみたい!みたいけれど…あぁ限りある読書生活、どこまで読めるのか(笑) 読書を通して心のあり方まで教えてもらえる良書でした。2016/10/24
Gotoran
79
河合先生が、豊富な読書体験をもとに、具体的に本を紹介しながら、人の心・無意識について解説・考察を加えたもの、まさに本書タイトルそのもの。口述記録がベースで、柔らかい関西弁も飛び出し、非常に読み易く、興味深い内容に惹き込まれた。見方によれば、手に取り易い文芸作品を通しての深層心理学入門の書にもなり得る良書。また、『本を読む本』で云うところの、心に関する河合先生的「シントピカル読書」の賜物と感じた。40冊の紹介本の内、既読本がいくつかあるが、未読本については追々読んでゆきたい。2015/09/26
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