内容説明
百年以上解かれていない難問に人生を捧げる。「写経」のかわりに「写数式」。エレガントな解答が好き。――それはあまりに甘美な世界! 類まれなる頭脳を持った〝知の探究者〟たちは、数学に対して、芸術家のごとく「美」を求め、時に哲学的、時にヘンテコな名言を繰り出す。深遠かつ未知なる領域に踏み入った、知的ロマン溢れるノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rosetta
31
大人になって数学好きになった者からすると高校まで数学として教えられていた教科は計算でしかなかった。現代日本の数学者を訪ねて話を聞く。大学の教授や数学塾の先生や市井の研究者、お笑い芸人。分野も違うし向き合う態度も違う。基本的にみんな数学が大好きな人ばかりだが、ある数学史の研究者は本来数学が持っていた個人的に大切な部分が今の数学にはなくなってしまって冬の時代だという。要するに数学とは特別な事ではなくある種世界を表現する言語であり、ゲームや読書の様に夢中になれる趣味でもある。数学者は趣味を仕事に出来た幸せな人だ2021/06/06
hnzwd
21
現役の数学者たちにインタビューした感じの一冊でしょうか。面白い返事の部分を切り取ってるのでしょうが、やはり数学者は偏ってるんだなあと。理系の最先端なのに評価基準が"美しい"っていうのがね。数学者は神様でもいない限り、こんなに綺麗に収まることはない、っていう人が多いのよね。2021/11/09
寝猫
21
数式を見て「美しい」と目を輝かせる数学者。楽しく読むことができました。 私には見れない世界を覗いているのだろうなと思うと愛しく羨ましくなります。 画家や音楽家の様に打ち込めるものを見つけられた(囚われた)人達と同じに思えました。 学校では解き方が決まっていて、暗記の様に覚えて解いたけど、違うのだと今更ながら目から鱗が落ちました(笑) 解答もそれが終わりではなくて。色々な解き方があり、美しいソレを見つける事が楽しいのですね? 過去ではなく、現在の数学者の姿を垣間見られて新しい世界が広がりました。2021/05/12
山ろく
16
著者と編集者が10人の数学者に会いに行ったインタビュー集。例えば誰もが名前だけは聞いたことのある数学の問題にどっぷりつかった人生とはどんなものだろう。数学への苦手意識を隠さない読者代表として数学者に対する先入観もあらわに恐々始まった訪問行脚だが、数学といかにめぐり逢い何を喜びとするのかを聞くうちに、数学の才能とはどういうものかを肌で知り、数学そのもののイメージも書き換えられていく。「数学でなければ表せないものがある。だから言語」「言語だから現代語も方言も文法自体の研究も同じようにある」という例えは面白い。2024/06/09
ayumii
16
数学者ってどんな人なのかなんて、あまり考えたことがなかった。二宮氏らしい切り口で、とてもほのぼのとした一冊になっている。黒川先生と奥様と娘さんのお話のところがいちばんおもしろかった。2022/08/10
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