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内容説明
民主化運動の指導者アウンサンスーチー、壮麗なパゴダ、『ビルマの竪琴』などで知られ、潜在力の高い新興市場としても注目されるビルマ(ミャンマー)。王朝時代に始まり、イギリス植民地時代、日本軍による占領期。戦後の独立後は、ビルマ式社会主義、23年間にわたる軍政期、そして2011年に民政へ移管し、改革の進む現代まで。知られざる多民族・多言語・多宗教国家の歩みをたどり、未来を展望する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
66
10年前の書で、その後この国はそれこそ天と地がひっくり返ったような動きを示すのだが、その動きの前提となる近現代のビルマ(著者が敢えて選択している)政治史をかなり詳細に綴ったもの。「物語」シリーズとしては堅めの印象だが、文章が読みやすいのと所々入るコラムで様々なエピソードが紹介されていることで、450ページ余りある新書としては分厚い本だったが楽しく読了した。アウンサンスーチーに対する評価はほぼ全面的な信頼を置いている印象で、彼女の思想の根幹から解説されている。最近の動きは好著が多いのでそちらで補える。良書。2024/07/19
yutaro13
32
ミャンマー旅行前のお勉強のために。中公新書の〇〇の歴史シリーズは著者によって著述スタイルがかなり違うが、このビルマの場合は近現代政治史に重きが置かれており「物語」要素は薄め。450頁ほどのうち王朝時代はわずか70頁ほど、残りは19世紀以降に割かれる。個人的にはビルマ王朝時代の歴史物語をもっと堪能したかったところだが、英国植民地時代、日本軍政期、独立後の歴史については大変勉強になった。本書は2014年刊行なので、アウンサンスーチーが政権中枢に入って以降や直近のロヒンギャ問題については別に補足する必要あり。2019/12/19
Francis
17
著者はビルマ研究家。「ビルマ」から「ミャンマー」への国号変更は軍事政権が一方的に行ったとの著者の立場により書名にビルマが用いられていることに注意。「ビルマの歴史」ではあるが、近現代史中心の記述。「ビルマ・ナショナリズム」についての優れた考察がこの本の特徴であり、英国の植民地支配からの解放に大きな力となったビルマ・ナショナリズムは独立後はその排他性ゆえに他民族との協調を阻害する要因となったり、ロヒンギャー問題へのビルマ国民の無理解の要因となるなど問題点が多いことが指摘されている。2018/04/04
coolflat
17
ビルマの歴史。ピュー~モン人(主にドヴァーラヴァティー王国)~パガン朝~トゥングー朝(正確にはタウングー朝であると本書は記述)~コンバウン朝~イギリス植民地期~独立期まで。本書の4分の3以上が現代史(イギリス植民地期以降)で占められている。なおアウンサンスーチーの生い立ちやロヒンギャー虐殺(なぜ虐殺が起こるのか。その歴史背景)についても書かれている。ロヒンギャー虐殺について余り言及しないと批判されるアウンサンスーチーの複雑な心境(面従腹背しているのか、完全服従しているのか、結局判断できないが)も垣間見れる2018/01/01
ジュンジュン
13
軍事政権はスローガンがお好き。自らの使命感を端的に表した「国軍だけが母、国軍だけが父、周りのいう事を信じるな、血縁のことだけを信じよ、誰が分裂を企てても我々は分裂しない」が”傑作”。アウンサンスーチー率いる国民民主連盟も皮肉を込めて「国民だけが母、国民だけが父」で対抗したとか。こんなほっこりエピソードで息抜きしなけければならないほど、400ページ超えの大半を近現代史に費やす本編は息詰まる展開。民政移管後に書かれたもの(13年刊)だが、後のクーデター(21年)を懸念するような指摘は流石だ。2024/04/24




