内容説明
妻が習い始めた百舌鳥魔先生の芸術。とにかく前例がなく、言葉では説明できないというそれは、生き物を材料とした異様なものだった。妻が傾倒する異形の“芸術”はさらに過激になってゆき……。表題作ほか、初期の傑作と名高い「兆」も収録。生と死の境界を鮮烈に描き出す極彩色の恐怖7編!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みくろ
40
7作のホラー短編集。書きたい事は分かるのだが、力がそこまで及んでいない感じです。設定が面白い作品もあるだけに残念。台詞に問題があるのかな。ぶっ飛んだ人物を想定しているのだろうが、やたら説明的であったり突拍子もない発言が逆にイタイ。この7作を読むと長(中)編より短編向きの作家さんだなと思いました。「兆」がいまいちなので…。個人的には「朱雀の池」が一番面白かったです。「ショグゴス」「密やかな趣味」「試作品三号」がSFホラーで、「首なし」「百舌鳥魔先生のアトリエ」が視覚的インパクトのあるグロホラーといった感じ。2015/11/15
あや
39
グロテスクで奇妙で、だけどなぜかどの作品も美しいと感じてしまう。小林さんの作品の中では脳髄工場がかなり好きだったのですが、本作はそれ以上にドンピシャで好みでした。どれも様々な世界観の中で狂気と美しさが兼ねそなえられていて、本当に素晴らしいです。どの作品も良かったのですが、やはり1番良かったのはジョグゴスと密やかな趣味ですかね。SFの要素が混じっていてジョグゴスなんかはちょっとした近未来だと思うと想像してみるとゾクゾクします。密やかな趣味はオチはわかりやすかったですが、思い込みの強さに寒気がしましたw2014/03/20
まえすとろ
32
長らく絶版になっていた小林泰三の初期作品を含む傑作短編5編を再録、新たに2編の描き下ろしを加えたグロテスクホラー短編集は初球からいきなりストレート。南極での戦闘、地底に眠っていた生物、海百合っと読めば、≪その方面≫のファンならば、もうニヤリが止まらない第1話「ショグゴス」 ファンサービスを兼ねた江戸川乱歩真っ青のエログロ描き下ろし短編の第2話「首なし」、初期の短編で傑作の誉れ高い正統派ホラーの第3話「兆 KIZASI」↓ 2015/03/16
みや
29
肉体と精神の狭間、生と死の境界を描くホラー短編7作収録。人体の破損や改造など、普段なら大好きなスプラッタな話も多いのに、なぜだか興奮できなかった。相性の問題なのか、今の私の精神状態によるものなのか。肉体を生きたまま切り刻んで芸術作品に仕立て上げる表題作、恋人として購入したアンドロイドを痛めつける「密やかな趣味」は特に、いつもであれば絶対に好きな設定、展開だと思う。なぜこんなにも冷めながら読んでしまったのかが自分でも分からない。残念至極。小林先生の他作品を読んでから、また挑戦したい。絶対に嫌いではないはず。2018/02/23
トルコネ
28
超キモチワルイ!!いつにも増して邪悪で醜悪で吐き気を催す短編集!流石です!中でも顔をしかめずには読めなかったのが「密やかな趣味」!「臓物大展覧会」に載っていた「透明女」を思い出しました。異色なのが「試作品三号」!サイエンス中二病異能者バトルって感じ!?しっかし、毎度のことだけど、この人の小説に登場する女性は感情的で思い込みが激しく他者の意見を受け入れない偏見に満ちたキャラばかりだなぁ。いや、大好きなんだけどね、対立構造や主張したいこともわかりやすいし。作者は過去にアホな女にヒドイ目にあわされたのかしら?2014/01/26
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