内容説明
川端康成『雪国』の有名な冒頭の一文、「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」。さて、この「国境」の正しい読み方は「こっきょう」? それとも「くにざかい」? そして 「チゲーよ!」はなぜおかしい? などなど日々「正しい言葉」探しに格闘している新潮社校閲部の部長が、奥深~い日本語の世界にお連れします。
目次
第1章 校閲よ、こんにちは
第2章 調べ方の調べ方
第3章 ルビは難しい
第4章 鳴呼!漢字
第5章 仮名づかひ今昔
第6章 グローバル時代の翻訳
第7章 その日本語、間違ってます?!
第8章 その日本語、ヨロシイ?!
第9章 死語の世界
第10章 出版と日本語と校閲と
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
emi
33
そのクオリティの高さで有名な新潮社校閲部。その部長・井上孝夫氏が綴った校閲についての本。校閲中心ですが、日本語が好きな人も楽しめる本です。言葉を調べるって奥が深い。翻訳だって、母語というしっかりとした土台なく訳すことはできません。部長曰く、校閲は服の裏地を作る職人のようなもの。外からはよく見えない。しっかり出来ていて当たり前。でもその出来具合で本物かどうか分かる人には分かる、と。日本語の研究者ではなく、一般読者の先遣隊であり、言葉に対して素人であることのプロ。私にとっては大変勉強になる本でした。2015/03/07
魚京童!
26
一杯は人酒を飲む、二杯は酒酒を飲む、三杯は酒人を飲む。2015/02/05
tomi
25
新潮社の校閲部部長による日本語の本。校閲の現場の苦労話から気になる日本語のあれこれまで、著者自身のマンガ入りで解りやすく書かれている。ルビの振り方一つとっても、どこまで振るかの基準や旧仮名遣いのルビを新仮名にするかどうかなどの判断の難しさ。ルビの活字は活版印刷の名残で小字を使わないが「足寄(あしょろ)」は「あしよろ」になり、間違っていると指摘されたとか。新潮社では近年著者の希望で小字を使用できるようになったが、従来通り小字を希望しない作家が多いとの事。2014/09/21
G-dark
21
校閲の仕事の大切さが伝わってくる本。たとえば、漢字の使い分けもルビの振り方も送りがなも、正解がたった一つというわけではなく、文の内容などからああでもないこうでもないと検討を重ねて決定をするというから、その手間暇には頭が下がります。「校閲ってのはさ、つまり…服の裏地を作る職人みたいなもんだ。外からはよく見えない。しっかり出来ていて当たり前。でもその出来具合で本物かどうか分る人には分る」(P188から引用)という、裏地にたとえているのがとても分かりやすい。校閲者さんたちの丁寧な仕事ぶりを尊敬します。2017/05/28
さとも
10
校閲から日本語のことを考える本。自分が思ってる読み方が正しいとは限らないんですね。第七・八章は最近の言い回しについて考えさせられました。言葉は生き物。2016/11/02
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