内容説明
なぜあの場所に富士山があるのでしょうか? その場所は、地球の構造線、トラフ、火山帯のちょうど交点です。三方向からの大きな力が集結し、単独で聳える日本の最高峰ができました。250万年前から現の重要なイベントを追跡することで、日本の地形の成り立ちを解明します。氷河期と間氷期の海水面の変化、火山灰の堆積、地殻変動、風雨による浸食作用……が地形を造ります。ロングセラー『東京の自然史』の姉妹編です。(講談社学術文庫)
目次
第1部 日本の自然(東海道線に沿って 東海道の台地 富士山はなぜそこにあるのか ほか)
第2部 東京の自然(東京の坂と富士山 関東ロームの話 野川と国分寺崖線 ほか)
第3部 自然の見方(第四紀の自然環境 大昔をたぐり寄せる 時・空を測るものさし ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たくのみ
9
前半は専門に傾きすぎるが、第二部からの「東京の自然」が面白い。「ブラタモリ」的な、山手線の地形図と江戸からの川の浸食と台地の変遷。まさに百面相の世界が広がる。地形学者からみた、東京の美しさ発見の旅。東京に自然史博物館をという主張には「第四期」にこだわりと、「関東ローム層」への愛があるのだ。2014/02/11
mft
3
富士山については今となっては古いプレートテクトニクス黎明期の記述だし、「東京の自然史」と重なる東京の地層に関する内容が多いし、拍子抜けした2017/10/20
1484h
0
富士山に関する記述はわずかなので、この書名はいかがなものかと思う(「続・東京の自然史」くらいが適当かと…) 原本は1990年出版なのでやや古い記述もところどころあるが、四半世紀を経た今読んでも十分面白い内容かと。 特に東京に住む人は読む価値あり(土地勘があると楽しめる)。2015/05/16
於千代
0
「日本の自然」「東京の自然」「自然の見方」の三部構成。「ある事がどうしてそこにあるのか」は地理学の神髄であると述べるが、常識を疑うというのはどの学問分野でも同じなんだな、と感じた。割と専門的な印象があるが、学術書よりは平易。2014/02/22