ハヤカワ文庫NF<br> 偶然の科学

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ハヤカワ文庫NF
偶然の科学

  • ISBN:9784150504007

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内容説明

〈数理を愉しむ〉シリーズ ネットワーク科学の革命児が解き明かす「偶然」で動く社会と経済のメカニズム。
小飼弾氏絶賛! 「『社会科学を本物の科学に!』 この社会学党宣言こそ本書のコアだ」
ダン・アリエリー(イグ・ノーベル賞受賞者、『予想どおりに不合理』) 「世界認識を変える本が現れた。耳が痛くても、“間違う理由”は知る価値あり」

世界は直感や常識が意味づけした偽りの物語に満ちている。ビジネスでも政治でもエンターテインメントでも、専門家の予測は当てにできず、歴史は教訓にならず、個人や作品の偉大さから成功は測れない。だが社会と経済の「偶然」のメカニズムを知れば、予測可能な未来が広がる……。より賢い意思決定のために、スモールワールド理論の提唱者が最新の科学研究から世界史的事件までを例に解き明かす、複雑系社会学の話題の書。

目次

第1部 常識(常識という神話 考えるということを考える 群衆の知恵(と狂気)
特別な人々
気まぐれな教師としての歴史
予測という夢)
第2部 反常識(よく練られた計画 万物の尺度 公正と正義 人間の正しい研究課題)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はなよ

24
7章までは面白く、多くの教訓を得られる。しかし8章からは空気が変わってくる。その原因はネットでの実験を神格化している事で、それまでの章で散々無理だと言ってきた未来予測を、ネットで膨大なデータを収集すれば可能になるかもしれないと言ってしまっている。私にとってはこの結論も自分が正しいと思い込むバイアスから生み出されたようにしか見えない。まず、ネットの世界では生身の人間1人居れば数百、数千の発言を同時に発信する事ができる。機械の発言と人間の発言を明確に区別できなければ、数人の人間のせいで実験の結果が(続く2018/11/16

Toshi53162606

21
20年ほど前に生まれ、インターネットの発展に後押しされる形で、自然科学・社会科学を問わずあらゆる分野を包括しながら急激に進展しつつあるネットワーク科学の開祖の1人であるダンカン・ワッツの本。 社会・歴史・経済・経営・アカデミア・エンターテイメントなど、あらゆる分野での成功や失敗が、単独の組織や個人の才能と努力ではなく、それらが属するネットワークと偶然によってもたらされたものであることを、科学的根拠を用いて証明した本。 2023/02/23

りょうみや

20
さらっと再読。ネットワーク科学者が書いた認知バイアス本というのが適切だろうか。この2つを結びつけて社会現象の予測の難しさ、人がいかに思い込み・常識に囚われているかを語っている。物理学と比較して従来の社会科学・社会学を典型的に批判しているのだが、この2つがごっちゃになっていて対象がよくわからない。道徳・哲学の範疇まで踏み込んでいるが、そのあたりは洞察が浅いように思える。2019/08/04

江津 有倣

11
人間社会における出来事の複雑性を無視してしまう人間の常識の過誤を明らかにし、出来事の発生要因は偶然に依る部分が多くを占めることを主張した本。『われわれは物事を理解していると自分で思いながらも。実際はもっともらしい物語でごまかしているだけだ』という一文が非常に痛烈。成功も失敗も偶然の産物なのだと結論付けている。モナリザが名画のトップに君臨した経緯やVHS/β戦争の話、八つの世界線のストリーミングサービスを作った実験など興味深い話が非常に多く鏤められ面白く読み進められた。オススメ度:☆☆☆ 2024/01/02

CTC

11
14年ハヤカワ文庫NF、単行本12年同社。著者は米国の社会学者(物理学博士だが、コロンビア大等では社会学の教鞭を執る。)。“偶然”の仕組みを知れば合理的な意思決定ができる、という触込みだが…原題は“Everything Is Obvious*: *Once You Know the Answer”だから…“全ては自明〜答えが判れば”といった程度か。世の中の常識というものが大抵結果論や循環論法で語られている事を示し、人間の行動や社会の複雑性を再三述べ、社会科学の叡智が若干それらを解き明かしてくれるかもと。2023/05/21

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